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カスタール魔道具店

虹の剣士様

作者: 溶ける男

「ありがとうございます。また来てくださいね」

魔石を数点購入し店を出ていく客へと声をかけながら回収した魔石へ魔力を充てんする。

相変わらず魔石以外の商品は売れない。

まぁそもそもこの店で扱っている魔道具ってのは高価なものも多いためそう簡単に売れたりはしないことは理解している。

家庭用魔道具の大半は新築への導入くらいでしか売れないうえ、そういうのは大工などと繋がりのある大手の魔道具商が利権を握っているため、壊れた魔道具の代わりに買っていく客が月に一人いるかどうかってところだ。

探索者向けの便利グッズ的な魔道具は、そもそもこの辺りにあまり探索者が来ないこともありほとんど売れない。

結果として魔道具の動力源である魔石がうちのメイン商材になっている。


「おう、魔石屋!いつものやつを5個ずつ頼むな」

「クロスナ!うちは魔石屋じゃなくて魔道具屋!

 カスタール魔道具店だっていつも言ってるだろ!」


こいつの名前は、クロスナ。いわゆる幼馴染ってやつだ。

この町では数が少ない探索者の一人で、うちに一番を金を落としていくお得意様だ。

特製の魔石が入った棚から注文の品を取り出してカウンターに持っていく


「ほらこれでいいか?」

「おう!いつも見ても完ぺきな仕事だな。

 さすがは、元神童」

「その呼び名をするならもう売らないぞ」


俺は昔、子供にしては大量の体内魔力量と全属性への適正を持ち魔法への理解も早かったため神童と呼ばれ王都にある魔法学院にも通っていた。

しかし15歳を迎えたころには、周りに着いて行くのがやっとになっていた。

座学はトップ10には入っていたが、実技は赤点ギリギリだった。

10歳を超えたところで俺の魔力の成長が止まったのだ。

魔力とは、魔法を出力する力と賢者が残した書物に書いてあった。

その書物的に俺の状態をいうとMPは大量にあるのにINTが低すぎて魔法を発動しても威力や効果が期待できないといった感じらしい。

何とか卒業できたが、期待されていたような職種へ就くことも出来ず学費を稼ぐためにやっていた魔道具製作を元手に帰郷後、町はずれに買った土地に工房兼魔道具店を建てることにしたのだ。


「わりいわりい」

「で、そいつの調子はどうだ?」

「そういえば最近、出力が落ちてきてるような」

「貸してみろ」


クロスナからそれを受け取り軽く魔力を流してみる。

魔力の流れが悪くなっているところが、二か所ほどある。

工具を取り出してメンテナンスを済ませて再度魔力を流し確認をする。


「相変わらず手際がいいな。

 なんでお前がこんなところで魔石売ってるのかわからない。

 王都のやつらは、見る目がないな」

「ほら、これで大丈夫だろ。

 裏の庭でちょっと試してみろ」

「おう」


クロスナを庭に案内して準備を終える。

合図とともに試し切り用の丸太が複数に分断されそれぞれが燃えたり凍り付いたりしている。

相変わらず凄まじい剣技であり、その効果をもたらした人造魔剣は相変わらず傑作であった。


「うん、いいみたいだな」

「さすがは、七色の剣士!いや、虹の剣士様だ」

「さっきのお返しかよ」


こいつのわがままから作り出した装着した魔石の力を刀身に纏わすことの出来る人造魔剣。

といっても刀身部分はミスリルを使って町の鍛冶屋に打ってもらった硬度と魔力との親和性が高いだけの代物である。

秘密は柄のほうにある、無駄なく刀身に炎・土・雷・風・氷・水・毒など様々な魔力を瞬時に切り替えつつ最大限の効果を及ぼすことの出来る逸品。

神がかり的な素材の組み合わせによって作り出されたそれは、完全なる一点ものであり同じものを作れと言われても作り出すことはできないと断言するほど奇跡の一品であり、クロスナの剣技と合わさって渾名の由来となっている。


「じゃ、いつもの魔石とメンテ代でこんなところだな」

「おう、じゃあな」

「クロスナ!ケガするなよ」

「お前もな」


カウンターの上に金貨の詰まった袋をおいて店を出ていくクロスナの背中に声をかけて見送ると袋の中を確認し、今度はどんな魔道具を作ろうかと思いを馳せる。


ここはカスタール魔道具店。

体内魔力量だけは無駄にある店主が営む隠れた名店。

ご家庭から探索のお悩み、武器の開発と魔道具関係なら何でも取り扱うあなたの欲しいを形のにするあなたのためのお店。

ご来店お待ちしています。


お読みいただきありがとうございました。

ちょっと短いですが、思いついたので投稿してみました。


生成AIにて主題歌を作ってみました。

よかったら聞いてみてください。

ランキングタグでリンクを張ってみたけど怒られないかな

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YouTubeにて主題歌配信中 「カスタール魔道具店」
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