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マフイカ  作者: 甚八
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ヌムカという少年 2

雨は更に強くなるようだった。

街を出る時、ヌムカには十分な時間は無かった。その日その日で暮らしていたヌムカにとって、長い旅をする為の蓄えなど無かった。あって数日程度の食糧が関の山だ。旅の最中も半分以上は食料探しだ。ここ数日は小さな木の実をいくつか食べただけ、そろそろ空腹も限界に来ていた。

天を見上げて溜息が漏れる。腹は減ったがこの雨ではどうにもならない。

火は命だと言う。これは『教え』だ。人は火に寄り添わなくては生きてはいけない、と。

確かにそうだ、とヌムカは思う。火は熱だ。熱は命そのものだ。熱が無くなって冷たくなる事を死というからだ。雨は火を消し、熱を奪う。だから皆、雨を良くないものだと考える。古い昔、人間に敗れた神と巨人が火を呪って雨を降らせるのだと言う。

しかし、雨が恵みである事もヌムカは知っている。

喉の渇きに喘いでいる時、空は雨を降らす事がある。これに幾度助けられた事か数え知れない。

火もまた、人を殺す事がある。

昔、薬師だと言う変わった爺ぃに出会った事がある。確かこう言っていた。

「薬は量が大事ぞ。少なくては効かん。多くては害する。

毒すらも、量を間違え無ければ薬になる。毒も薬も皆同じじゃ」

と。

雨もつまりそういうものだ、とヌムカは思う。


まだ、雨は止まないようだった。

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