中7
いよいよレオが勘違いしてしまった理由が明らかになります。
・・・・・・・。
私は今、レオ様から聞かされた内容があまりにも酷くて思考が止まってしまいました。
私がレオ様以外とキスをしていた?それに加えてレオ様が私の外見しか見ていないということを私が認めた?
なんの冗談でしょうか・・・・?
でもレオ様がこの状況で冗談を言うわけがありませんし・・・・。
もう少し詳しく聞いてみる必要がありそうですね。
レオ様はパーティーでの様子を私に教えてくださいましたが、言っている途中からどんどん目線が下を向いてしまい現在は床を見ています。
こんな状態のレオ様にさらに追い打ちをかけるように聞くのも心が痛むのですがレオ様との関係が歪んだ原因がわかっているのならそれを解決しなくては!!
「レオ様。私は本当に若い男性とキスをしていましたか?それにレオ様が私の外見しか見ていないという酷い意見を私が本当に肯定していましたか?」
そう聞くと、レオ様は床から目線をあげてこちらを見ました。
レオ様の瞳はとても悲しそうな目をしています。
「あぁ。ティアが男とテラスに出たのに気付いたから見つからないように追いかけたんだ。そうしたら俺からはティアが上を向いて男がかがんでキスしているようにしか見えなかった。後、『確かにレオ様は私の外見をよく見ていますわね。』とティアは言っていたぞ。」
その時の様子を思い出しながら話してくださっているようですが、なんて悲しそうな表情をしているのでしょうか。こんな表情をさせているのは私が原因ということはわかっていますが、少し可愛いです。
不謹慎なのはわかってはいますが、普段は絶対に弱い自分を見せないレオ様のこんな弱い部分を見てしまうと愛しいと思ってしまいます。
愛しいレオ様の不安を取り除くのも婚約者の役目ですわ。
レオ様が詳しく話してくだっさことで、パーティーでの出来事が具体的に思い出せてきましたわ。
それにレオ様がなぜそう勘違いされたのかもようやくわかりました。
ではレオ様の不安を一つずつ除いていくとしましょう。
「レオ様。お話してくださりありがとうございます。不安にさせてしまい申し訳ありませんが、安心してください。私はやはり誰ともキスはしていませんし、レオ様の悪口も言ってはおりませんわ。」
「だが・・・・」
「まぁ、お話は最後まで聞いてくださいまし。レオ様その時のことをしっかりと思い出してください。男性は私よりも身長がとても高くありませんでしたか?」
「・・・・そういえば、俺よりも高かった気がするな。」
レオ様は一瞬嫌な顔をしましたが、私のお願いを聞いてくれたようでしっかりと思い出してくださろうとしている。
「そのとおりです。私と話していたのは身長が高く、蜜を吸うためにひらひらといろんな花のところに行くことで有名なデルイ伯爵家の次男の方ですわ。」
「そんな危険な奴と分かっていて近くにいたのか!?」
レオ様は私の肩をつかんで揺らしながら話してきた。
「そんなわけないでしょう!?あの方がしつこいから外に出たのに気付いたら、付いてきていたんですわ!!誰があんなかっこ悪い男と一緒にいたいものですか。」
私はレオ様の手を振り払い大声で言った。おっといけませんわ。レオ様があまりにもふざけたことをおっしゃるから言葉遣いが悪くなってしまいましたわ。
「まぁ、男性のことはひとまず置いておいて、私はレオ様と話すのでも上を向きぎみでお話しているんですよ?レオ様より高い殿方と話すときは上を向いてしまうのは当たり前のことです。それにその時話していた男性は小声で話していませんでしたか?」
「・・・・そういえば、結構近づかなくては聞こえなかったな。」
「そうでございましょう?人に聞こえないようにあの人はレオ様の悪口を私に話してたのですわ。だからかがみぎみになってしまったのですわ。だからレオ様から私たちを見るとまるでキスしているように見えたのでしょう。」
レオ様の思い間違いの一つ目の原因しっかりと説明したことでレオ様の誤解もやっと一つ解けたようです。
「そうだったんだな。確かによく考えてみればそういう風に見えてもおかしくないよな。・・・うん?ちょっと待てよ。今あいつが俺の悪口を言っていたのがわかっていたようなことを言わなかったか?」
「?えぇ、気付いていましたが?それがどうかしましたか。」
「俺の悪口と分かっていながらティアは、肯定したのか!?」
・・・・この人、先程の話を聞いていたのかしら。
「落ち着いてください。今からその誤解についても解きますから少し私の話を黙って聞いていなさい!!」
「はい!!」
レオ様は姿勢を正して固まってしまいました。
しまった。ついついムカッときて命令口調で言ってしまいましたわ。気を付けていましたのに・・・・。
まぁ、過ぎてしまったことは仕方ありませんわ。このまま話を進めましょう。
更新が遅くなっていしまい申し訳ありませんでした。
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