中6
私はあまりのショックにしばらく固まっていました。
私レオ様に何をしてしまったのでしょう?
考えても考えても思いあたらないのですが。
っは!?もしや、
「もしかして、私がレオ様の大好物のオペラを作るのになんども失敗するからそれを見かねて、シェフがでほとんど作ってしまったことをご存知ですの!?確かに私が作ったと言いましたが嘘ではないのですよ!!私も一生懸命愛情を注ぎこんだんですのよ。それに飾りつけなどもお手伝いしましたの。ですから全て作ったというわけではありませんが私も作った人の一人にはいるんですのよ。」
私は思いついた出来事について決していいわけではありませんが、理由を述べました。
「・・・・そうなのか?確かにティアにしては驚くほど上手いと思っていたがそういうことだったんだな。」
「あれ?知ってらっしゃらなかったということはこれではないということですか?それとティアにしてはとは?」
私はどうやらいらないことを暴露してしまったようです。これ以外で何かあったでしょうか。
それにしても「ティアにしては」という言葉はどういうことでしょう。
レオ様は困った表情をされています。
「思うことを言ってください。気になりますわ。」
「・・・・ティアは昔からよくお菓子を作るだろう?作ってくれるのは嬉しいんだが俺には味が甘すぎるんだ。」
・・・・・・・・。
「レオ様って甘党じゃないんですか!?甘いのがお好きだと思ってぎりぎりまで甘くしていましたのに。それがまさかにがてだなんて!?私はレオ様の婚約者失格です。」
私は長年甘党だと思っていたレオ様の好みを間違って認識していたことへのショックに手を床につけてしまいました。
「ティアの言うとおり俺は甘党だ。でも甘党にも限度というものがあるだろ?」
「でも5年前ぐらいにレオ様は砂糖を食べてとてもよろこんでましたよね。」
「・・・そうかあれを見てたんだな。・・・・あれは砂糖に見える菓子なんだ。兄上が一時期疲れると角砂糖をかじる癖があってだな、健康を心配した姉上が相談してきたから職人に甘く感じるが砂糖があまり入っていないお菓子を作らせて試食していたんだ。」
そんなことがあったなんて初めて知りました。
「お菓子を作ってくれることがうれしくてなかなか言えなかったが甘さは一般的なもので頼む。」
それはつまりこれからも作ってほしいということですよね!!
「はい!これからもレオ様のために心を込めて作りますね。」
私は笑顔で答えました。
するとレオ様は顔を真っ赤にさせてそっぽを向いてしまいました。
ふふふ、可愛らしいですわ。
いけませんわ。私がレオ様にしてしまったことを聞かなくてわ。
「レオ様、私はいったい何をしてレオ様を傷つけてしまったのでしょうか。」
「・・・・二か月前のパーティーで・・・・・・・
レオ様の口から出てきた話は思いも寄らないものでした。