中3
私とレオ様は今向かい合っています。
・・・・・・・・
レオ様何も言いませんわね、これは私からお話しないといけないかしら。
レオ様の顔はまるでこの世の終わりのような表情をしていますし・・・・。
仕方ありませんね。
「レオ様、私にかかっていた容疑は全て解決しましたよ。これで婚約破棄しなくていいですね?それともこんな容疑をかけられる女とは婚約破棄したいですか?」
・・・・レオ様は目線を床に落とした。
・・・・・ここで黙らないで何か言ってくださらないと私、不安になるのですが。
「レオ様?」
私はレオ様に声を優しくかけてみた。
「・・・疑いがはれたなら、婚約破棄する理由はなくなったから婚約破棄はしない。」
レオ様はボソッと言った。
その言葉を聞いてほっとしましたけど、肝心な方を答えてくださっていないわ。
「それでは婚約破棄はなしということで、ところで私がレオ様の婚約者でよろしいのですよね?」
不安なのでもう一度聞いてみた。
「あぁ。お前はどんなことがあっても俺の婚約者の座を降りないんだろう?」
「もちろんですわ。」
レオ様の言葉に即答で私は答えた。
これで不安なことが一つ減りましたわ。
ついでにずっと気になっていたことも聞いてみましょう。
「ところであのマリネという子とはどこで知り合ったんですの?少なくとも2か月前にはあのような子はこの学園にいなかったはずですわ。」
なぜ2か月前はいなかったと分かるかというと、私はこの学園に通っている生徒、教師、事務員まですべての人物と名前を覚えているからである。
そして2か月前までは私は学園に通っていた。私は学園での勉強を全て終わらせているため、外交としの仕事を学園に通いながら行っている。
レオ様と少しでも一緒にいたくて、飛び級して卒業できるのを我慢して学園に通っているのだ。
それなのにこの2か月は隣の国との外交で学園に行くことが出来ずに悲しい思いをしていた。
つまり、学園に復帰したのは2か月ぶりの今日なのだ。
やっとレオ様に会えると思って楽しみにして帰ってきてみれば、いきなり婚約破棄騒動に巻き込まれるし、レオ様の横には変な虫が付いているし。
これで不安にならないわけがないわよね。
「なんで、2か月前なんだ?まぁ説明してやるが、マリネは1ヶ月半前ほどに転校して来たんだ。」
・・・・今聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
「レオ様??まさかとは思いますが、私が外交の仕事で2か月いなかったことを知らないのですか?」
「え?そうだったのか」
私はレオ様から聞こえてきた言葉を聞いてレオ様の肩をつかんだ。
「・・・・そうだったのか?レオ様に早く会いたくて、人が必死に仕事を終わらせてレオ様のところに戻ろうと頑張っていたのにそれを知らない?ふざけてますの?」
言葉遣いがどんどん悪くなっていく。
レオ様を睨んだ。
「そ、それはすまなかった。別に知らなかった訳ではないぞ?少し忘れていただけだ。」
「忘れていたですってぇぇ!?こっちは大好きなレオ様が不足しすぎて死にそうだったと言うのに!!?」
レオ様が急に顔を赤くした。今さっきの言葉に赤くするようなところなんてないと思うのだけど。
「だ、大好きって。お前俺のことが好きなのか?」
レオ様は今更何を言っているのかしら。
「当り前ですわ。14年前からレオ様のことが好きですけど?それよりも話をそらさないでくださいませ。」
そう言うとレオ様はさらに顔を真っ赤にさせた。
レオ様大丈夫かしら?