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中2



「知っている真実を言いなさい。」


私は彼女に命令した。


「・・・マリネ・・が・・階段から落ちたり・・・・彼女のものが・・なくなっているのは全て・・・マリネ自身が行っているもの・」


食堂にいた全員がマリネの方を見た。


レオ様も横にいたマリネを見た。


「マリネ・・・どうして・・・・。」


マリネはさっきまで顔色を変え黙っていたが、慌てたように話し始めた。


「嘘よ!!彼女が言っていることは嘘です!ティリーシア・フォリーが脅して言わせているに違ないわ!」


レオ様はその言葉を聞いて絶望したようにマリネから一歩離れた。


私だけでなく全員がマリネの言い訳を聞いてあきれた。


この子はとことん馬鹿らしい。ここで使った自白剤は国が認定している薬の一つで効き目は誰もが知っている。


この薬を使うと真実の事しか話すことが出来なくなる。


つまり嘘はつけないのだ。


そしてこれを開発したのはマリネが言い訳している人、つまりレオ様である。


だから信じたくなくてもマリネが自分で行ったということが真実であるということを、レオ様は理解しているだろう。


それでも信じられないという顔をしているだけで何も言わないので私がこのつまらない芝居を終わらせましょう。


私は自白剤を飲ませた少女の拘束魔法を解き、レオ様とマリネの近くに近寄った。


「マリネさんでしたか。あなたは知らないようなので教えてあげましょう。先ほど彼女に飲ませた自白剤はレオ様が開発したもので、あれを飲んだものは真実以外は話すことが出来なくなる物なんですのよ。それなのにあなたは私に言わされているだなんて嘘を言って、自分から「私がやりました。」と自白しているのと同じことをあなたは言ったのよ?」


その言葉を聞いてマリネはまさかと言うようにレオ様の方を見た。


レオ様はマリネと目が合うと目をそらした。


「これで理解していただけました?あなたがどんなに私を悪者に仕立てても無駄ですわ。だって私が全ての嘘を解いて真実を導き出すのですから。」


私がそういうとマリネは下を向いた。


「マリネさんあなたがどうして私を悪者にしたのかは知りませんが、相手が悪かったですわね。私はあなたが近づいたレオ様の婚約者ですのよ?こんな下らなくて薄っぺらい嘘で私が倒れるわけありませんわ。もう十分でしょ?だからこの茶番を終わりにしてくださる?」


そういうとマリネが叫んできた。


「どうして!!!あんたが罪に問われないのよ!!私が主人公なのに!こんなのおかしいわ!!」


マリネは訳の分からないことを言ってきた。


「何を言っているのかわからないけど、仮にあなたが主人公だとしてもレオ様の婚約者はありえませんわ。どんなことがあっても私がレオ様の婚約者なのですから。」


だってどんなことがあっても、私はレオ様の妻になれるように最善を尽くしますもの。


するとまた何か騒ぎ始めた。


この子頭大丈夫かしら、きっと正常ではないわね。うるさいので、まだ叫んでいるマリネに私は消音の魔法を使った。


これでマリネがどんなに叫んでも何も聞こえないわ。


さてと一つ目は片付いたので次はレオ様ですね。


先程まで私の近くにいたはずなのに近くにレオ様の姿が見えない。


あたりを見渡してみるとこそこそと食堂の出口に向かっている姿を見つけた。


「レオ様?」


私はレオ様の真後ろに魔法で移動し、レオ様に声をかけた。


ビク!!


レオ様がそっとこっちを見てきたので私はニコッと笑って見せた。


「さて、レオ様?先ほど彼女のいじめを理由に婚約破棄とおっしゃいましたね?」


そういうとレオ様は顔をそらした。


ふふ。顔をそらさせたりしませんよ。私は魔法でレオ様の顔をこちらに向けた。


レオ様の顔はこちらに向いたが、ギギギと音が聞こえてきそうだった。


「人が話しているのに顔をそむけるものではありませんよ?」


ニコッと笑って言うと、レオ様は「すみません。」と言ってきた。素直でよろしいですね。


レオ様と私は今向き合っている状態、周りも静かに見守っている状態だ。


さてさてこれでしっかりとお話ができますわね。


レオ様、覚悟はよろしくて?




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