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いつも生徒たちで賑わっていて、学園長の趣味でデザインされた壁や床、美しいアンティークなどがある華やかな食堂。


今日もいつものように賑わっていたがいきなり静かになった。


「ティリーシア・フォリー、私はお前との婚約を破棄する!!!!」


理由はある男子生徒のこの一言が原因である。


私は公爵令嬢でこの国リスタニア国、三大貴族と呼ばれているうちの一つ、フォリー家の二女のティリーシア・フォリー。


私の婚約者はこの国の第二王子のレオリート・リスタニア様。


2人の婚約は生まれる前から決まっており、いわゆる政略結婚というもの。


私は物心がつくころにはレオ様の妻になることが当たり前に思っていました。


レオ様の妻になるということは王子妃になるということ、そして外交を任される身になる。


そのため物心つくころからレオ様のよき妻となるべく様々なことを勉強し、練習し7歳にはお茶会デビューをし、社交界で生き抜くための技術も磨いてきた。


練習は、ものすごく厳しくそして厳しかった。そのため遊ぶ暇などなく、自由など与えられなかった。


それが当たり前なことだと考えていたし、それでいいと思った。


だって私はレオ様のことが好きだから。


私がレオ様のことを好きになったのは3歳のころ。


それ以前から私とレオ様は両親たちによって何回も会っていた。


しかしその頃は友達のような感覚だったが、3歳の時いつものように王宮に行きレオ様と会っている時、レオ様の希望でかくれんぼをしていた。


かくれんぼしている時私は隠れるために近くにあった甲冑の中に入った。


鬼役の人が私の前を何度も通ったが見つかることはなく、私は喜んでいた。


しかし、数時間すると誰も通らなくなっていて私は焦って甲冑の中から出ようとした。


だけど入ったはいいが出られなくなってしまった。


私は一生誰にも見つけてもらえないのではないかと思った。


そんな時向こうから足音が聞こえてくて、その方向を向くとレオ様が走ってきた。


私は声を出して、レオ様に気付いてもらおうと思ったが、すぐにやめた。


何故なら自分で入っておきながら出られないような考えの足りないことをしたことはとてもいけないことで恥ずかしいことだと教えられていたからである。


それなのに、フォリー家の娘がそんなことをしたとあれば家の恥になってしまう。


私は助けてもらうことを諦めていた時、レオ様が私が入っている甲冑の前で止まった。


そしてこちらを向き、息を切らしながらレオ様は笑顔で「ティアみーつけた」と言い、甲冑の中から私を助けた。


私は安堵し、泣いてしまった。


「ティアは僕のお嫁さんだからどこにいても僕が絶対見つけてあげる。だから泣かないで。」


レオ様にそう言って頭を撫でてくれた。


私はその時からレオ様のことが好きになった。


それから14年間私はレオ様のことが好きという思い一つでどんなこともやり遂げてきた。


血を吐きそうになったことだってたくさんあったし、全て投げ出してしまいたいと思うこともあった。


だけどいつもあの時のレオ様の顔を思い出して頑張ってきた。


全てはレオ様の妻として、レオ様を支えられるように、そして横に立って恥ずかしくないように。


なのに今あなたの口から言った言葉は幻?






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