俳句
「それでは俳句を作ってください」
ざわざわとざわめくクラスの中。
「俳句なんて作る気ねぇーわ」
「作らないと0点だけどな」
「季語いれて、五・七・五なんか無理だろ」
「昔の人はやってたんだよ」
「・・・・・・下ネタあり?」
「俳句使って下ネタ言うって、頭がおかしいだろ」
「昔の人だって、そういうの作ってたって、世に出てないだけで、絶対してたって」
「そもそも世に出せないだろ」
「絶対に芭蕉とか小林とか詠んでたって」
「芭蕉はまだ許せるけど、小林ってなんだよ。小林一茶のことじゃねぇのか?」
「そう、そいつそいつ」
「小林一茶もお前みたいな奴に馬鹿にされて、さぞかしご立腹だろうな」
「じゃあ、俳人のように下ネタ俳句詠むわ」
「俳人に謝れ」
「うぅっん、『満月に 光り輝く 乳房かな』」
「・・・・・・」
「どう? 季語入ってるし、いいんじゃね?」
「何の情景が浮かんでるんだよ。季語入ってたら何でもいいなんて頭が死んでるの?」
「もう一句『女乗り 双丘を見て 俺シゴく』」
「はぁぁ!?」
「双丘ってのが、女性のおっぱいを表現して」
「次に何かしらの単語を放ったら殺す」
「ごめんなさい」
「さてと、『友を見て 笑えるならば 幸せか』」
「それどういう意味?」
「お前がいるだけで、笑えて幸せってこと」
「そんなこと言うなんて、惚れちゃうぞ♪」
「さっきまで下ネタしか言ってない人間の割に、口が過ぎてるぞ。で、お前はどれ提出するの?」
「やっぱり『女乗り』」
「死んでしまえ」
「それでは、後ろから集めてきてください」
「リアルにやばい」
「何でもいいから五・七・五を書け」
「ちょっと待ってくれ、30秒だけ」
「待ってるから早くして」
「女子に怒られるなや」
「うるせー、よっしゃあー出来た」
「結局、何書いたの?」
「『男たち 今も昔も 胸が好き』」
「まぁ、同感だけはするけど、俳句史上最低だ」
「芭蕉も小林も与謝も詠んでたはず」