女の「可愛い」
「あ~、この写真の犬可愛い~」
「ほんとに! もっと写真あるから見て見て」
どこからかそんな声が聞こえてくる。
「女の可愛いって、何なんだろうな・・・」
「知るわけない」
「確実に言えるのは、男が思う可愛さと女が思う可愛さって、違うんだよな」
「そりゃ、違うに決まってんだろ」
「例えばさ、テレビに出てる可愛い女優とか見てて可愛いって言ってみたら、うちの女家族はどうせ整形でしょって言ってきやがったんだぜ」
「もはや、例えばの話じゃなくて、実話だろ」
「明らかに可愛いじゃん」
「うん」
「その癖に、ちょっとブサイクな犬がテレビに出てて、ブサカワイイみたいなこと言うんだぜ。どう見てもただのブサイクな犬じゃん」
「はいはい」
「整形とかいう人工的な可愛さが嫌いなくせに、ぬいぐるみとかいう超絶人工物に対して可愛いとか」
「ストップストップ」
「俺の言ってること間違ってる?」
「ちょくちょく」
「誰にも理解してもらえないのか?」
「大丈夫」
「何が?」
「そこは、男と同じだと思うから」
「どういうこと?」
「お前、アニメとかの可愛いヒロインの女の子とか好きだろ?」
「そうだ」
「でも、あれは人工物だ。天然ではない。つまり、女だろうと男だろうと人工物が大好きだ。ただ、整形をするやつが嫌いというだけだ。あと、妬みとかそういうので悪口を言うために整形って単語を使ってるだけ」
「・・・なるほど。ただ、一つだけ言わせてくれ」
「何?」
「あの娘たちを人工物って言うなあああぁぁ!!!!!!!」