等価交換
「何故、この世にこんな質問が存在するのか疑問に思ったことはないか?」
「お前の質問のこと?」
「話を聞け、俺はこの質問の意味が分からない」
「どんな質問?」
「付き合うなら、性格悪いけど美人かブサイクだけど性格がいい人という質問だ」
「たまーにあるね」
「仮に前者を選んだとしよう。そうなると、お前は面食いだとか顔で選ぶのかと言われる」
「まあ、妥当な意見ではあるな」
「後者を選べば、善人ぶってんじゃねぇよと悪口を叩かれる。何だこの質問」
「話終わった?」
「俺は、こう思う。この質問に再び答えることがあったとするなら、俺は・・・可愛くて性格がいい女の子がいいんですと答える」
「あっそ」
「性格が悪いというマイナスと美人というプラスでゼロになるのと、ブサイクというマイナスと性格がいいというプラスでゼロになるのとで、選ぶ必要はない。単純に可愛いというプラスと、性格がいいというプラスを俺は選びたい」
「世の中みんなそう思ってるよ」
「そもそも、ブサイクで性格がいいなんて人間はそうそう存在しない。ほとんどがひねくれてるか、可愛い人の悪口を言って盛り上がるかの人間だ。対して、美人は性格が悪い人もいるかもしれない。ただ、可愛い人は大体性格はいい。俺はそう信じてる。俺は顔で女の子を選ぶ人間だ!!!」
「それ言って恥ずかしいとは思わないんだ?」
「うるせー、お前はどんな人がいいんだよ?」
「年上で俺の言うことを真面目に聞いてくれる人。それなら、そこまで顔は考慮に入れない。でも、なるべく顔も審査の対象だけどな」
「お前って色々と酷いよな」
「お前はブサイクで性格が悪い人間と結婚しろ」
「くそー、結婚式の仲人させてやるぅ」
「それはそこまでの嫌がらせでも無いぞ」
「とりあえず、俺は可愛い女の子と付き合いたい」
「頑張れー」
「お前なんか、一生独身で暮らしとけ」
「その時はお前を俺の飼い犬にしてやる。俺の言うことを真面目に聞いてくれる人だからな」
「親友だと思ってたのに・・・ひどいよー」