1話 学園という名の地獄
――この野郎。
合宿とは聞いていたがまさか校内でやるとは思わなかった。
確かにここは広いものすごく広い……だが宿泊施設を設ける必要があるのか?
はぁ、早く帰ってアニメみてだらけていたい。あとゲームしたり、あとは……特にないな……。
「はい、皆注目!」
相川先生の号令がかかり全体に緊張が走る。ほかの先生ならこうはならないだろう。
じゃあなぜこうなるのか。時を遡ること一日前の入学式。
「先生は結婚とかしてるんですか~」
クラスにいたお調子もの的な奴がそう言った。
言ってはならないことを言うと本当に空気が止まる様な感覚に陥るからやめて欲しかった。さては新手のスタンド使いかな?
まあ、そのあと先生は怒りはしなかったが明らかに「刺激をしたら殺される!」なレベルの殺気を放っていた。
そんなこんなでクラスには一つの決まりが出来た。
先生に結婚の話をするな。
そんなルールができるような先生である。みんな緊張もするだろう。
う~ん、あんまり上手くまとまらなかった。
「それでは諸注意を終わります。生徒は部屋に戻ってください。あと学級委員の里山隆君は一旦前に来てください」
生徒達はバラバラと解散していった。俺もその波に乗り部屋へと向かう。
それからしばらくして俺たちの部屋に学級委員が来た。
「八時から十五分間が僕達一組が風呂。その後九時から大広間にて食事です」
それだけ言うと部屋から出て行って隣の部屋に入っていった。
そういえばあいつ同じクラスだったんだな……。
「おーい、君、君ー」
「ん?」
「こっちきてトランプでもやらね?」
「ああ、やるやる」
「マジ!? サンキュー。えーと……名前は……」
「名前なら谷道だけど……」
こいつちょっとI、RA、TU、KU!
まあ、俺も名前覚えてないんだけどーメンゴ、メンゴー。
トランプを始めてからどれくらいたっただろうか時計を見ると八時五分前になっていた。
「あ、もう風呂行かないと」
「まだ大丈夫だろ」
「そうだな」
俺が風呂に行こうとすると一緒にやってたやつが遅刻フラグを立てやがった。
だが俺はフラグをおる。フラグブレイカー!
心の中でそう叫び風呂に向かうこととする。
「じゃあ先行くな」
扉を閉めると声が聞こえてきた。
「あいつノリワリーな」
しまった、ノリ悪い奴に認定されてしまった……。
ま、まあ、いいさ俺は一匹狼だからなハハハ。
くそうっ!
風呂から上がるとさっきのやつらが入ってきた。
「ほら、間に合っただろ」
「あ、ああ」
あと三分で入れるならな。
あー家帰りたい。