そういえば、帰れました。
ふかふかのベッドで寝て、起きたら自宅のベッドでした。
「・・・・・・・あ、帰れた。」
「魔王とあんなに親しげにしてるくらいだ、それなりに大切にされてるんだろ?」
「え?やめてください身の毛がよだちます。」
「そこまで言う!?」
いつも通り魔王にかかと落としを決め(この前避けれたのはたまたまらしい。)、しばらく鼻歌歌いながら暢気に城を散策していたらあの盗賊とこんにちはですよ。
やぁと声をかけるまでもなく首にナイフを突きつけられた。
何故。まさか、前背負い投げかましたことを根に持ってる!?
「違う。」
違うらしい。
だがしかし何故今否定の言葉が入ったんだ。まさか第二のサトリ・・・!?
「いや、お嬢ちゃん全部口に出てるからね?」
「おっとしまったうっかり。」
てへぺろ☆としたら頭を叩かれた。
ナイフで切らないのは優しさか。身にしみるぜ。
ところでまた城に盗みに入ったんですか相変わらず猛者っすね!
とりあえず誰か通らないかな、頼りになる人。いや、魔王は役に立たないんでいいです。
とか思ったのがいけなかったのか魔王が通りかかった。空気読めよ!
ちなみに盗賊は黒ずくめ。
フードで見え隠れする顔はまさに美形・・・いや、魔王には負けるけども!
左半分を隠す髪は深い藍色、目は翡翠色だ。盗賊じゃなくて怪盗をなのればいいのに、きっとファンが急増だ。
「クソッ、この際魔王でもいいやタスケテー。」
「もうちょっとそれっぽくしたらどうなの?まぁ、見捨てないけどさ。」
魔王マジ天使。
絵本を開けば、の一番最初に出てきた盗賊の彼です。