今更な容姿説明もいれましょうか。
目が覚めたらふかふかのソファの上だった。
ソファの上でうんうん悩んでいたらいつの間にか寝ていたようだ。夢オチではない事実にそこはかとない気分の下降を感じた。
なんやかんやで未だに戻れていない。
なにこれ悲しい。なんてホームシックに浸っていたらガチャリとドアが開いた。
なんだ空気の読めないドアめ。ていうかノックくらいしろよ。
ひょっこり顔を出したのは黒くサラッサラの腰までの髪、赤と金のオッドアイ見かけだけは威厳たっぷりですよ魔王だった。
とりあえず、ノックくらいしろよ。
「あれ、まだいた。」
なんだそのいなくなっていることを期待しました発言。
喧嘩売ってる?売ってるよねかかと落としするぞオイ。とは、まだ半分ほど機能していない頭では言えない。
なんてボーっとしていたら後ろから何者かに蹴られたらしい魔王が顔面から着地した。ナイス。
輝かしい笑顔が私の顔に浮かんだ瞬間だった。
「お仕事の時間ですよ陛下。あら、まだいたんですの。」
「そろそろ泣いていいかな。」
私、それくらいの権利あると思うよ!
そして黄金色の巻き毛にルビーの瞳が相変わらずゴージャスな色彩ですね、服も派手!さすが美人!!な、宰相さまである。
「あ、朝食ご一緒しますか?」
「しますします喜んで!あ、魔王ごめん踏んじゃった。」
「いつまでそうしてらっしゃるんですか、早くご自分で立たれてください。」
「オレの方こそそろそろ泣く権利くらいあると思うんだ。」
宰相に駆け寄る際うっかり魔王の頭を踏んづけてしまった。
いや、ていうかそろそろ避けてもいいと思うんだ魔王は。え、なにマゾなの。
「避けないとかなんですかマゾですか?私そんな趣味があるなんて存じませんでした。」
「あ、奇遇ですね私もそう思ってました!」
やっぱり私達、運命の赤い糸で結ばれてるんですね!
とても冷たい目で見返された。私はとても傷ついた。
私のライフはもうゼロよ!
「ライラはともかく君の攻撃よけれないのオレも不思議で仕方ないんだけど。」
ライラは宰相の名前です。
心底まいったといった表情の魔王。それでも決まる顔なんて、なんてお得な顔してんだ。
まったくこれだから美形は!滅べとは言わん、分けろ。
「とりあえず、食事にいたしましょうか。」
にっこり笑う宰相はやっぱり天使だと思いました。