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絵本を開いて、閉まらない。  作者: 真白 白色
もはやこれが日常編
21/22

最初からいます元勇者。

二年ぶりだと……(愕然)



「おはよう幸奈、結婚しよう」



 ピンクの薔薇を五本束ねたそれをわたしに手向けながら言いくさった幼馴染は今日も求婚してきた。

清々しい朝陽が眩しくそして暑い。窓から入ってくるのはいいが閉めてほしい。

あとぜきという言葉を知らないのか。知らないか・・・・・・知ってた。


そして朝からいったい何事か。その小箱はまさか指輪か?大丈夫?

ははぁなるほど、とうとう頭でも豆腐の角にぶつけてしまったな?うっかりさんめ!


「全部口から出てるよ傷ついたから結婚してね」


「出た~メンタルぽっきーで求婚。飽きないな!さすがだけどその粘り強さメンタルの強さに活かそうぜ」


「はぁ…誕生日だからって張り切ってきたのにその言いよう」


「は?知世の?」


「いやなんで自分の誕生日なのに幸奈にプレゼントしてんのさ」


「なるほど一つ歳を取った幼馴染にいつまでも若々しい自分の姿を見せつけメンタルを削る魂胆だな?」


「なんでそんな捻じ曲げたの?」


 幸奈ってほんと変なところで卑屈になるよね。

うるせぇ顔の良い坊ちゃんにはわかるまい。

まったく方向性がおかしいとは言え美形め、わけろ。


「ちなみにね~薔薇五本だと【あなたに出会えてよかった】て意味になるんだよ!」


「マゾなの?」


「なんでそうなるの?」



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