あけおめことよろ!!
「あけおめことよろ!今年の目標は幸奈に結婚を承諾してもらうこと!」
「めげないよねぇお前。あけおめ。」
新年早々、窓を開けてそう叫んできたのは白雪姫・・・ではなくただの美少女顔の幼馴染だった。
しかもそのまま部屋に侵入してきやがった。
夜中だし眠いため、そのわずかな窓と窓の間に突き落としてやろうかとか微塵も考えちゃいない。あぁ考えちゃいないとも。
知世はベッドでいまだに起き上がらない私の横に来て、手を握った・・・・のがいけなかった。
「僕と結婚して!」
「あらあらまぁまぁ・・・若いですわねぇ。」
気がつけば、すっかり見慣れた魔王の執務室。知世の後ろには、机で黙々と書類をかたしている魔王と、お茶を用意していた宰相の姿があった。
あー・・・まさかの二人一緒にトリップしちゃったよ。
「えっ、なにこれ。」
「なにもこれもこういう状況だ、察せ幼馴染よ。」
「これで何かを察せる人は仏様か神さまだよ。人外か変人だよ。」
なるほどつまりこの状況初体験で察せてしまった私は変人であると・・・よし、もうお前の求婚は受け付けないからな。
「陛下にその美少年に・・・ユキナさん。貴女中々の策士ですわねぇ。」
「とんでもねぇ誤解ですよ宰相さん!私は最初から貴女一筋です!!」
「あらそれはどうもありがとうございますわ、ユキナさん。今度こそ本当に食べて差し上げましょうか?」
「すみませんでした。」
即頭を下げた。
いやちょっと待て、新年早々なにやってんだ私。
「え、ていうかちょっと待って。幸奈この魔王さんにも求婚されてんの?」
「こっちでも酷い誤解が、違うんだ知世。」
「ここぞとばかりに名前で呼んでも誤魔化されないんだからね!どういうこと幸奈!」
「なんで浮気がバレた彼氏みたいな問い詰められ方してんだ私。いや違うから、求婚とかされてないから。
そんな酔狂なことすんのお前くらいだから安心しろよ女顔。」
「君自分を好いていてくれる子によくもまぁそんな言い方できるね」
魔王はそんな目で私を見るな。
後コレは割りと平常運転なので気にしなくていいです。
落ち?そんなものは・・・ない!
あけましておめでとうございます。
こんな作品ですが、今年もよろしくお願いします!m(_ _)m




