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オンハーツ  作者: 陽光
【01】フィルと呼んでください
4/30

00話 死んだみたいです

一話2000字から3000字くらいで書きます。

ストックはありますが、切れたら亀更新になる可能性大。

ブラコン要素はかなり後になるかと。

恋愛要素は今のところ未定。


それでもいい方はどうぞ!


 目を覚ますと、そこは辺り一面真っ白な空間だった。天井も壁も、床ですら白すぎて目視できない。……いや、天井や壁があるかどうかすら疑問だ。


 何、このデジャビュ。


 僕は自他共に認める本の虫だ。おまけに雑食で、分厚い辞書から女子向けの携帯小説まで読むほどである。


 ……で、読んだ本の中にこういうジャンルがあったはず。


 “異世界トリップ”もしくは“異世界転生”。


「御明察」


「うわっ!?」


 突然聞こえた声に、僕は文字通り飛び上がった。振り返ると、そこには一生お目にかかれないような絶世の美女が。


 ストレートの銀髪は透き通るように艶やかで、無色に近い色だというのに僕の目には鮮やかに映る。細く切れ長の瞳は金のようだ。その目がまっすぐに僕を捕らえた。


「もしかして……もしかしなくても神様?」


「そうだ」


 鷹揚に頷く女神様。外見は美女だというのに、言動はどこか男らしい。


「僕は死んだんですか?」


 聞いてみたが、今一自信がない。死んだ時の記憶がないのだ。生来病弱で一番新しい記憶でも病院だったため、病死という線が最も有力だろう。


「あぁ、死んだな」


 さらりと言う女神。


「そうですか」


「やけにあっさりしているな」


 珍しいものでも見るように見られ、僕は肩をすくめた。


「まぁ死んでもおかしくない病気でしたし、むしろ今までよく生きてたなっていうぐらいですから。死んだものはどうしようもないでしょう?」


「ククッ……それもそうだな」


「で、僕に何か用でしょうか」


 神様が死んだ人に一々会っているとは思えない。ならば、僕は呼ばれたのだろう。この女神に。


「フフッ、聡い奴は話が早くて助かるな。率直に言おう。私の世界に転生しないか?無論、記憶はそのままで」


 そうくると思った。高揚する気持ちを抑えつつ、僕は返す。


「私の世界、というと異世界ですか」


「あぁ。魔法や魔物が存在する、こちらでは物語のような世界だ。私の世界と言ったが、正しくは“私達の世界”だな。私は何名かいる神の中の一人に過ぎん」


「なぜ僕なのですか?」


「偶然だよ。たまたま引っ張った魂が君だった。まぁ、当たりだったようだな。無闇矢鱈と騒ぐような奴の相手などしたくはないし」


 嘘をつく理由もないし、事実のようだ。僕はラッキーだったのだろうか。


「転生させる理由としては、時代の“節目”であるからだ。つまり、私達の世界に変革を――というわけさ。それが良いものでも悪いものでもかまわない。物事というものは、見る者によって180度変わるのだからな。前に送った奴は魔王になって人間達を苦しめたが、魔人やダークエルフにしてみれば救いだったろうし。君が向こうで何をしようと自由というわけだ」


「なら、健康な体を保証してもらってもかまいませんか?」


「当然だ。そんな事でいいのか?他にも色々つけてやろう。異分子である君が平穏に暮らす事はできないだろうから」


 まぁ、僕が異世界に転生する事で起きる何らかの変化が目的なら、良くも悪くも前世のような平和な暮らしをする事はないだろう。台風の目的ポジションでもない限り。


「生まれる場所、容姿はランダムで決めるがかまわないか?」


「はい」


「それなら肉体強化、魔法の才能と武術の才能をつけて送ってやる。魔力は無限にしておこう。生まれてすぐ魔物の住む森に捨てられました、などでは意味がないからな。魔法が使えれば赤ん坊でも何とかなるだろう」


 そんな例が出てくるなんて、昔実際にあったのだろうか。……というか、物凄くチートだよな。


「私達の世界はこちらと言語も違うからな。さすがに赤ん坊が理解できたら化け物扱いされるからそのままにしておくが、頑張って学べ。記憶力は上げてやろう。魔法や武術も訓練しない事には上達しないから覚えておけ。……説明はこのくらいか」


「種族や魔法の属性については――」


「それは自分で調べるといい。その方が面白いだろう?」


 確かにそうかもしれない。せっかくファンタジーな世界に転生するのだから先に色々知ってしまうのももったいない気がする。


「なら、僕が行く世界の名前は何ていうんですか?」


「あぁ、言ってなかったか?私達の世界の名はオンハーツだ」


 オンハーツ。響きのいい名前だ。


「そうだろう」


 ……ん?


「もしかして、僕の考えを読めたりします?」


「丸聞こえだ。まぁ、これは自分でも制御できる力ではないからな。何もしなくても聞こえるんだ。許せ」


「読まれて困るような事を考えてないのでかまいませんが……最後に一つだけ。また会えますか?」


 僕の言葉に女神はキョトンとした顔をして、それから笑った。


「クックックックッ……。やはり面白いな、君は。次に会うとすれば夢の中だろうよ」


「そうですか」


「あぁ、そうだ。君に名をやろう」


「名?」


 僕は怪訝に思って眉を寄せた。


「私から新しく生まれる君に名を送るのだよ。いわゆる御告げってヤツでな」


「なるほど」


 それは大騒ぎにならないか?とも思ったが、神様の好意だ。素直に受け取っておく事にする。


「では、しばしの別れだな。幼いうちはぼんやりとしか意識を保てないだろうが、君の持つ知識を脳が処理しきれないせいだ。そのうち治るから気にするな。記憶がハッキリした頃にまた会おう」


 女神が右手を僕の頭にかざす。それと同時に視界が暗転し、僕は意識を手放したのだった。



書き方等が見にくかったり、誤字脱字があればご連絡ください。

感想・アドバイスもお待ちしています。

はげみになりますので。


3/24 誤字修正

7/27 誤字修正

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