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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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008 組織の下地

翌日約束は果たされた。


あれが神であるかどうか未だに疑問符が抜けないのだが、

人間に捕まる神も要るものなのか。


手元にあるのは小さな巾着袋だ。


ご丁寧に手書きの取り扱い説明書も付いていた。


『この巾着袋には、所定金額が入っています。

 巾着に手を入れ必要分を思い描いてください。

 貨幣を手にすることができます。

 所定金額を使いきると巾着は消えてなくなります


 注1.一度に取り出せるのは手に収まる分だけです

 注2.紛失した場合当方は一切責任を負いません

 注3.返品、交換は行いませんのでご了承ください。』


兎の手足でどう筆を取ったのか解らないがなかなかの達筆だった。


ざっと内容を読んでみて使い勝手が悪そうだとは思ったが早速使ってみる。


巾着の中に手を入れて金銭二枚を思い浮かべてみると手に感触があった。


そのまま取り出してみると確かに金銭が入っているようだ。


「ふむ、貨幣偽造か」


兎が大金を稼げる訳が無い。


そうすると非正規のルートで確保したのだろう。


国で作っている物ではないので、どんなに本物と見分けがつかなくても偽造貨幣だろう。


しかしながら、使えれば問題ないか。


結論づけてとりあえず巾着袋を木箱に入れて棚の上に置いておく。


所定金額と書いてあったがいったい幾らまで出せるのかという問題がある。

上限まで出して部屋から溢れても困るが、そのあたりの検証は後日だろうか。


思案していると天井から紙が降ってきた。


『追伸 所定金額は金銭二万枚也』


「覗き見とは下種な事だ」


つぶやきに対して抗議の声が有った気がするが気のせいだろう。


やりようも解ったので次の準備をしなければならない。



その日、手元に残った金銭の一枚をツバキに渡して町へと出かける。


まだ人脈が足りない。


今のところの知り合いと呼べるのは金物屋の主人と土建屋の親方ぐらいだろうか。


いないものは居ないで進めるか。


目当ての物件の持ち主へと話をして交渉を終えて村に戻った。


翌日には人手が居るので土建屋の親方に話を通して建て始める。


作りたかったのはギルドだ。


組織としては町に商会や役人がいるのでそれ以外で勢力を拡大するにはと考えて出たのがそれだ。


元ネタはゲーム関連なのだが、とにかく商売のみなどの限定組織よりは幅広くつながりを作りたいのでギルドという事にした。


作っているのはギルド本部。町に作るのはあくまで支部としてこの村を町へ、さらには都市へと大きくせねばなのだ。


まずは拠点を作って交易の中心に仕立てあげるようにしなければならない。


通常現行の組織に入って成り上がるのがいいはずだがそれでは権力と財産を手にするのに時間がかかりすぎる。

単純に町に既にあった組合が気に入らなかったからでもあるのだが。


ギルドの基本としては組織区分と依頼の管理だ。

登録制度とそれを管理する人員、育成機関と諸施設の管理等も含めて新たな雇用先を作るのと人を集める仕組みを作る。


公共工事の利点としてまずは建築関連で人足分の食料やら寝床やらで人と金が動く。


これは一時的なものなので、それとは別に娯楽施設を筆頭に貨幣を消費する呼び込み用のモノも追加。

それに伴う諸処諸々の雑務を依頼という形でギルドから報酬を出して請け負ってもらう流れとする。


建物を建てるとともに流通の要となる街道の整備もしていく。


進捗は適度なのだが、劇的に早くもならないようだ。


まず完成したのがギルド本部だ。


ここでは見ない洋風建築をデザインに取り入れて造ってもらった三階建ての建造物だ。



「見事なものですね」


出来上がった建物を見上げながら親方にそういった。


「おうよ、今まで見たこともない造りだが面白いもん建てさてもらったぜ」


若干嬉しそうなのは、土建屋としての誇りを満足させたのだろうか。


本部は出来たが職員含めて機能するには人手が足り無いか。


「まあ、行き辺りばったりでもいいか」


綿密に設計しているわけでもないので、単純にゲームなどと同様に依頼書の型で仕事を発注して、成功報酬で支払いをする。


基本仲介業として運営資金を手に入れて、各方面に顔を売ることもできる。

ギルドの一員として登録をさせれば個人情報も管理できるし人が集まればそれだけ周辺も人の動きの分儲かるわけだ。


経済活動に詳しくはないが、経済が停滞気味なのは何となく察せるし富が集中しているため貧富の差が激しい。


次は信頼できる手勢確保か。


腕の立つ戦力が欲しいものだ。

主に危険から遠ざかりたいからな、しかしながら都合良く出会えるわけでもないんだが。


建物の手配はできたのだが中身と活用方法をどうしたものかと悩む。


大抵この手のものは既に存在しているのを利用するがセオリーだが、立ち上げるにはどうすればいいのか

マニュアルが欲しい。


無いものは無いのだが。


初期配置は終わったが村を町にするにはまだまだ人の行き来が悪いようだ。


街道整備など人手が要るのと、今の所物流事業の規模が小さいので街道完成したら一気に人減りそう。


人手は基本貧民街から食事付きで雇い入れている。


日銭を稼げるのと食事が食べれるという事で集まりはかなり良い。


声かけの音頭はノブヨシにやってもらった。

もともと暮らしていただけあって、ある程度顔が利いたようだ。


とりあえずの受付としてツバキに本部を任せて、幾つかの依頼を出した。


一つは地図の作成依頼。

二つ目は食料調達系の依頼。

他幾つかの雑事を依頼とした。



思いつきで書いてるのと忙しさで更新が遅れました。

合間に書いてるからなかなか話が進まない。

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