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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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006 確保

農業・工業・商業と発展させないと都市は大きくならない。


需要と供給も上昇させないとだ。


ちゃんと貨幣も流通しているが見た限り精度は低そうだ。


鋳造技術がある程度あれば貨幣偽造も可能だろうが、技師を取り込むのに対し取り締まりはいかほどか。


割に合えばやってみる価値はあるかもしれないがな。


自給自足だけでは貨幣を獲得できない。

利潤をあげるには、原料で売るのではなく加工して自分で売るのが一番だろう。


途中で人を挟むと中間マージン等を取られていかん。


自分が楽をするのはいいが、他人が横流しだけで儲けるのは我慢がならんな。


今現在の村の総人口は17人、

大人の人数は二人に成人未満の子供が15人だ。

とりわけ腕力のいる作業は今のところこなせているがやはり人手が足りない。


平均年齢は正直15歳もいってないんじゃなかろうか。


とはいえ人工が増えても食料が足らない事になりそうか。


とにかく畑をもっと広げる必要があるな。



翌日から更に新しい畑の開墾に従事することに。


それとは別に、木材系の材料納入も行う為に町へ行く。


町並みを見ていると村との落差に泣けてくるが仕方がない。


稼ぎを増やすには商売を製造から販売まで独自ルートを造った方が利潤を自分の所で回せるから良さそうなものだが


そう考えて加工用の道具を揃えた店に顔を出して情報を入手しにいってみた。


『杉野金物店』と渋いというか古くさいというか

趣のある看板の店にたどり着いた。


「こんにちは」


「ういよ」


店というには商品のほぼ並んでいない店内には禿上がった髭面の男が一人道具の刃を研いでいる所だった。


「こないだのお客さんかい、今日は何のようだい?」


わりと強面なのに対して、言葉遣いには親しみがもてる。


強面だが・・・


「いや道具のほうは問題なく使ってるよ。今のところ研ぎも必要ないけど調子が悪くなったらお願いするかも。今日はちょっと聞きたいことがあってね」


「聞きたいことか、世間話をするほど暇じゃあないんだが」


客じゃないなら作業の邪魔だというのが見て取れる態度だったのだがそれでも手を休めてこちらに向き直る。


やはりひとがいいのかこのオヤジは?


「村の発展の為に外貨が必要なんだが、その足がかりにこの町で商売をしたいんだ。許可とかそのあたり要るのかなとな?」


店を開くのに国の認可が要るとか家賃がどうとかそのあたりはツバキに相談すればある程度道筋が見えてくるだろうが、こういった場合において気になることが別口であった。


商売において、いわゆる商人どうしの繋がり。

商会や組合といった組織があるのか、その内情はというところだ。


物を売るだけの店では聞き出せない様なところも、製造兼商人という金物屋ならわりとゆるく情報を引き出せるのでは期待して訪ねてみたのだ。


「商売ねえ・・・おまえさん、ここの商業組合には伝があるのかい?」


やっぱり組合があるのかと暗い気持ちになる。


利益を出す組織というとやはり排他的なものだろうし新参は好き勝手やれないだろう。面倒な事だな。


「特にはないので、そのあたりもご助言頂ければという所ですね」


「新しくこの町で店を構える事自体が難しいんだがな」


「というと?」


「この町は酒代(さかしろ)って問屋が商売関連の取りまとめをしてるんだが利権を牛耳っているからな。高額な組合料も納めなければならないから商いを新しく行うのはほぼ無理だ」


「組合に入らなければいいんじゃないか?」


「商家の連中は独占状態で利益をあげるために組み合いに入らない様な店は裏から材料を値上げされて潰されてるようなもんだ。家のような昔からやってる製造販売の半端な店ぐらいが生き残ってるだけだよ」


金を持ってる連中というのは・・・なんで腐るのか。

しかしそれがまかり通っているということは役所の組織も賄賂やらなんやらで腐ってるのか。


自分の行動にも少し注意が必要だなと再確認する。


とにかくこの町で店を持つのは厳しそうだというのは解ったので人員だけでも集めるとするか。


とはいえ今のところ何も無い村だ。


人員を確保するのに適してるのはあそこか。



町の中心から外れて外へと歩を進める。


道や建物質がだんだんと落ちてきた所で呼び止められた。


「てめえはこないだの!!」


声の主を見ると男がこちらを指さしていた。


「この間はよくもやってくれやがったな、今日は容赦しねえぞ!」


よくよく見てみるが顔に覚えはないが、会話から察するに最初にこの町にきたときからんできたならず者だろうか?


「今日は武器(エモノ)があるから容赦しないぞ?」


手にしていた棒をちらつかせてそういうと三人は一瞬だけひるんだが虚勢をはるようにうるせえとだけ答えた。


ならず者だけあってそのままこちらに突っ込んでくるがリーチのある棒でそのまま突いて叩いて倒れたところに止めで蹴りをいれるを繰り返しあっという間に倒した。


ちらほら見えた人影も面倒事にはかかわり合いになりたくないようで、いつの間にか影を消していた。


のした三人組を眺めながら考える。


これは使えるだろうかと、


実際は使ってみないとわからないか。



ということで簀巻きにして村に連れ帰った。

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