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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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005 回り道

やはりコネは大きいのかもしれない。


ツバキの紹介で繋ぎをとって出稼ぎで実績があった事もあり

加工した資材は結構な値段で引きとって貰う事ができた。


切り出しから大雑把な加工のいる力仕事を引き受け

細かい仕上げを任せることでだいぶ能率も上がったようだ。


半月もすると、食べるに困らないぐらいは生産から納品までの流れを作ることが出来た。


「しかし、儲けるにはまだまだ付加価値が欲しいところだな」


食事の席ですっかり相談相手として確立したツバキにそう言葉を漏らした。


「そうは言っても、細かい細工物でも作れないと高くは売れないと思うわ」


もともとやりくりをしていただけあって技術面が追いつかないという結論が出ているようだ。


「畑もまだ収穫が安定しないからな、果実園も形になるにはまだまだ年月がかかるだろうし技術者不足か」


そこで、ふむと一息ついて考えを巡らせる。


こういった場合大体の打開策ではここでは一般的でない技術を持ち込む事で多大の利益を得るパターンだが・・・、どれが利益を生み出せるのか解らない上実用レベルのものを作れるだけの技量が自分に無いのがネックだろうか?


恥ずかしながら魔法的便利能力も期待してみたが、発現する気配はない。

もしくは用法を知らないだけか・・・・なんにしても直ぐには役立たないのだろう。


ここでは特許などといった物はないだろうから、独占して物を提供するには真似の出来ない物を作るか、もしくは競争相手をことごとく排除するかなのだが、今の自分の立場でどちらも実現可能では無さそうだ。


真剣に考えてみるが、他者を物理的に排除するにはこちらも技量不足だろう。

軍人や武術がこの世界に居るかどうか解らないが、単に身体の質が変わったからといって戦う事が出来るわけでもない。


だが競争相手を排除するというのは魅力的な案であるな。


直接手を下さなくても、手を回して脱落させるなど可能であれば・・・検討する価値はあるか。


なんにしても実行するにはいろいろ手管が足りない。


「一朝一夕で儲けるには特殊技能が足りないか」


いっそ宝石でもぽろぽろ出せれば楽だったのだが。


「飢えないだけ現状は十分だと思うけど、もう暫くしたら畑の収穫も上がるから。焦らなくてもいいんじゃないの?」


ツバキに諭されるが今ひとつ納得できない。

村を大きくするのに時間は掛けたくないのだ。

基本資金が無ければ好き勝手出来ないではないか!!


しがらみが無いのだから欲望に忠実に生きなければつまらない。


さておき、軍資金を増やす方法を模索しなければ。


結局の所地味に村の設備を充実させていく事にした。


まずは小屋の域を出ない建物を加工した木材などで二階建ての建物に作り変えてみたり


水路を敷くため川や溜め池などを整備してみたり


公衆浴場になるよう温泉を掘ってみたりと好き勝手に村を改造していった。


気付くと半年経過していたと言うのだから、意識のベクトルを一方に向けすぎだという話だ。


ツバキの助言通り時間の流れというのは偉大なようだ。


畑の世話や生活になれた孤児達のおかげもあり、自給自足の地盤は大部分が整えられて来た様だ。


溜め池なども魚の養殖所として以外に活躍したりとうれしい特典も出てきている。


しかしながら相変わらず収入が増える訳でもないので朱金をあしらった豪邸に住むとかは無理なようだが。


まあそれに住みたいわけでもないので良いのだがな。


儲け話というものは基本縁遠いもののようだが、何事も運次第のかもしれない。


都市型の発展シミュレーションはいかに集客能力のある建物を建てるかだが、実際問題ここでは娯楽という価値観事態が存在するのか。

存在したとして理解できるものなのかが問題だ。


娯楽の下地が曖昧なここでは何を作ればうけるのか。


結局は情報不足なんだるがな。


文学を普及させるにも娯楽を身近なものにしていかないとだしな。


そもそも娯楽を楽しむってのは経済的に余裕のある場合だろうし、どうどう巡りか。


やはり何はともあれ金儲けか。


基礎造りは時間が掛かるものなのだが、気だけが急く。



村の経営をする傍らこちらでの常識を少しずつ集めていた。


日本よりの世界感を持っているとはいえファンタジー色がちらほらと見受けられる。

今までの常識に捕らわれているといらぬ騒動の元になりかねないと思ったのだ。


ただ現代と違い識字率の低いここでは図書館や新聞などで情報収集ができなかった。


ここでも助けになってくれたのはツバキだった。


おとぎ話の様な話から日常常識まで幅広い内容を交えてこちらの問いに答えてくれた。


ファンタジーの王道としては魔法の存在があるが、ここには不思議な力が確かにあるようだ。


ただ一般的ではないようでツバキも実際に見たことはないようだ。


自分でもなにか使えないかと思ったが特に何も出来なかったので早々に諦めた。


その他には種族的に人間とは別に亜人と分類される種族がいるようだ。

これは人間と獣のハーフのような存在で、尻尾や耳など特徴が見られるとのこと。


実際は獣とのハーフというわけではなく、犬なら犬の神様とのハーフの子孫という事らしい。


そう、ここには神が実在するのだ。


とはいえどこそこに行けば会えるという類のものでもないので稀少な存在ではあるんだろう。


神様は万能である、と思っているわけでもないが日本では八百万の神というほど多岐に渡る神がいたという。


それだけたくさん要れば自分の目的に添う能力を持っている神もいるかもだ。

単純におもしろそうというのもあるのだがな。


商売の神に加護を貰えたら、何をやっても儲かるのだろうが・・・。


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