052 予兆と横槍
なんか飛んでるのですがまあこんなもので
公共施設の定番で病院かと思いたったところで、そちらにも着手を試みたが結果は無残なものだった。
利権やらなんやらで横槍がすぐさま入って計画段階で直ぐに頓挫した。
コジュウロウに話を聞いてみると公家や武家の中では医者関連を囲い込んで居る所がほとんどの様だ。
町医者なども居るには居るが、お抱えの医者の弟子に当たる為影響力はかなりある。
加えて命に関わる事で自己の影響力確保の意味合いが多いのだとか?
確かに怪我や病気の時に頼りになる医者に掛かるのに仲介として公家や武家が入ればそれだけ影響力は相当なものになるんだろうが、実際問題では独占している時点で医療関係者の人材は不足するんだろうなと思われる。
結果は手遅れになって命が失われるって所だろうが、上の人間は下の人間の命なんて軽いんだろう。
憶測だけだからまともな人間もいると思いたいんだがな。
「なんにしても、医療技術は大事だな。半端な知識で治療すると酷い事になるから伝承するにも弟子を取ってという形なのか」
ここでもネックなのが医療技術を伝える方法。
弟子への口伝と実践的な現場教育といった所らしい。
命を預る以上適当な者に教えるもの難しいのだろうが、狭い人脈になりそうだな。
ある程度の水準に見合った免許なんかは居るだろうけど、技術の発展はなさそうだ。
この辺りは都市で研究機関と人材を確保してやらせてみるか。
「コジュウロウには医者の伝手はないの?」
「当然、当家お抱えの者はおりますが」
「野良医者ってのは余り居ないだろうから、ちょっと強力してほしいね」
ある程度の体系化と知識の保管・散布が必要だな。
上手い事言って協力させるとしよう。
「まあ何にせよ、現状の医療技術の体系とその内容を調べる必要があるかな」
「手配しましょう」
コジュウロウがこちらの要望に応えて行動にすぐさま移った。
本当良く働くものだ・
まずは薬学と外科・内科とかの区分だろうか?現代だったらもっと細分化したモノなんだろうけどそこまで発展するには時間が足らないだろう。
大雑把な住み分けだけして後はそれぞれ協力して技術を進化させてもらわなければ。
いろいろな実験もいるだろうが、様々な角度から物事を見て議論してもらわないと着眼点の違いからくる新しい発想が出てこないんだろうし。
複合的な治療にも繋がらないだろう。
薬関連は野草以外にも薬草畑を作って安定供給させたいものだ。
化学物質から合成して大量生産とはいかないからな。
需要があれば、供給元として新しい労働枠になるだろうしな。
雇用拡大と確保のバランスをもっと取っていかないとだ。
なによりも、これまでは健康だったが怪我や病気は他人ごとではないのだから。
安心できる医療の場があると無いとでは気安さが違ってくる。
治療が間に合わなくて死亡するとかなったら目も当てられない。
薬物研究だと献体確保やら使い方、研究テーマなどの事もないといけないだろうか。
あとは手が出ない上層部付近の懐柔か排除工作が必要になりそうだ。
利益に関して鼻が効く人間が多いようなのであまり派手にも動けない。
こちらの手勢を増やす作業と追い落とし作業とが増えそうだ。
動きにくさだけでも少し改善して行くべきだな。
実際には目標指示だけして、図書館完成を待ちたい所なのだが。
安定と発展にはまだ遠い。
ここの(・・・)にいられる時間も何時までだか解らない限り案件を後に回せないので、逆に前倒ししていくのが良いだろう。
ここらで出来る事等があるはずだからだな。
「しっかし、妨害に在ったという事は今後の普通な作業に影響がでるかね」
計画段階で横槍が入るという状況を考えてみると、こちらの動きが監視されている証拠だろう。
まあこちらも情報収集のためいろいろとやっているのだからあまり責められる立場にない筈だ。
それでも良い環境にする為には災い芽は徐々にでも減らしていかなければならないだろうから。
全体的に心配事は減らずに増えるていってるような。
執務の処理能力が上がったのにな、情けない限りだな。
インフラ整備も大事だが教育関連の延び白幅をもっと見て行かないとだめだろうか。
有能な人材はやはり学業といった形でもいろいろな物事を知る人間を育てるしかないのだろうから。
ボタン一つや呪文一つで全て覚えるってわけにもいかんし、実践あるのみといったきもする。
何にしても出来る事をやってくだけだろう。出来ない事は後に回しこんでいくだけの事。
この面倒な関連の仕事が終わったらゆっくりと休みを取るとしよう。
仕事の合間ではなくがっつりとある程度の時間をとって解決していくしかないだろう。
ストレス発散して元気になれれば楽なんだがなかなかそうも言えないようだ。