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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
3章 領内外
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051 図書館司書

前回 税金で図書館設立

というわけで建物は着々と進行している。


公共事業という事で城には行かずに現場に顔を出すだけでよいのだから楽だ。


「で管理職を置きたいのだが」


こっちにも付いてきていたコジュウロウに相談を持ちかけてみる。


自宅の家政婦も兼ねてこの敷地全体の職員が必要だ。

ということになった。


「では、人を集めますので吟味をお願いします」


・・・・うん?


「適当に集めて貰えばいいのだが?」


「このような施設は初めての事です。何を基準にするか解りかねるので、お眼鏡に適う者を探して下さい」


単純に管理してくれればいいのだが、司書って職業は無いか。

メガネの似合う美人が望ましいがそもそもメガネが無いな・・・。

ガラスか。


硝子の技術は見た事がないのだが、欲しくなった。

透明な硝子というのもかなり近代にならないと外国から入ってこなかった気がするが原料はここでも採れるのだろうか?


結論は良くわからないだな。

また神様(うぃきぺでぃあ)でも使えると便利なのだが、面倒だな。


お世話の日々を思い出してげんなりした。


硝子が有れば冬場の温室栽培に役立つかもしれない。応用範囲の広い技術の一つだったな。


「集める人材の基準はいくつかはありますが、広い設備なので分業といった形で人数を揃えて貰う事になると思う」


「基準ですか?」


「基本は城の書庫の管理をしている者とに通ったものだと思うけど、まずは書物を管理できる人材。『紙』を扱う注意点をしっかり理解できている人間だね。無理を言えば補修技能もあると助かるかも。

次は本の分類などを管理して閲覧者の望む本を提供出来る人。

これは本の内容を理解できる事が肝心かな。

次は施設自体の保守管理をする人材。普通の掃除やら備品やらの保守点検と言った所で対応出来る人間。

本自体が貴重品だからそれ自体の持ち出し制限等の監視役もいるかね?

それとは別に併設している教育関連の施設で教える人材の確保と敷地内での飲食場かな。

食堂の他に茶屋のような施設があると利用頻度が上がると思う」


飲み物片手に本を読むとか慣れ親しんだものだがここでは貴重品だからな。

次いでに趣味用に写本用の要員も欲しい所か。問題ないものなら写本を作って各地に持っていく事で色々な面で良くなるだろう。

悪くなる面も当然あるんだろうけど。


「解りましたその基準でまず人を集めてみましょう」


「よろしく」


ふむ・・・司書はともかくとして、自宅の家政を任せる人材忘れてたな。


「ついでに家の家事任せれる人も探しておいて下さいよ。手が回らないから・・・」


「手配します」


自分で探せと言われるかと思ったが案外すんなりいった。

・・・密偵兼用で用意するんではなかろうかと疑念がよぎる。



そういえば昔司書に憧れていたんだが、資格試験がけっこう手間暇掛かりそうで諦めたんだったか。

今なら都市に図書館立てて司書として居座るって事も出来るようになるんだろうか?


人脈やら手管やらから考えると可能そうだが本に埋まってとか無理そうかな・・・。


いい加減次を考えて下準備をしなければならなさそうだな。

一番の問題点が解決しそうにないから無駄なのかもしれないけど、下地は何かと他でも役立つかもしれない。


しかし、公共事業とは結構面白いものだな。

今の所街道整備が主だったものだったが、水路系の水回りも本格的に細部まで伸ばすかな。

水が潤沢に使えるようになれば上下水の完備にも繋げれそうだし、衛生向上には役立ちそう。

とはいえ中世ヨーロッパ風の道に馬糞が転がってるという事がないからそこまで気にした事がない。


厠関連は汲みとり式ではあるのだが、衛生面には少し配慮があるようだ。

恐れているほど不便では無かった事で安堵したのを思い出した。


ただしトイレットペーパーなんて素晴らしい物は存在しないのだけれども・・・。



話は戻して公共施設っていうと後は病院や公園、レジャー施設みたいなものか。

娯楽関連はそのうちでいいが病院は早い方が良いな。

町医者ってのはやはり居るのだが数が圧倒的に少ない上に医学レベルは低い。


薬学がそこそこと言った感じが中心になっていて未だに迷信の類の方が認知度が高いときている。


噂話で聞きかじる程度だと、怪しい宗教みたいなのに騙されたという話も幾度か聴いた事がある。

現代よりも免疫系が強いのか医者に掛かる事自体がそれほどすくないのだがやはり怪我や病気が無くなるという事も無いので備えとしては必要だろう。


医療技術の発展が無いと疫病でぽっくりとかありそうで本当に恐ろしいからな。


「さて次は何を建てるべきか」


ぼそりと声を出してしまった呟きを聞いたコジュウロウは、少し眉をそばめたようだが関係ないない。

なんとはなしに選択するだけなのだから。

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