049 結果の後
仕事が山積み
職場での嫌がらせ
対応を考えた
といった感じの前回だと思った
端的に状況は改善した。
さすがコジュウロウといった感じだが、スッキリしないのも確かだ。
とはいえ自分にある権限では最終的に大した事は出来なかったのではないかという事もあり結果に対しては納得するしかないようだ。
しかし、やらせておいてあれなのだがコジュウロウは出来てしまうのかと。
個人的な能力なのか、それとも役職柄の特権なのか不明だが注意が更に必要になった。
仕事場で報告書をだらだら見ながらぼーとした。
なにやら空しい。
思えばなんでここでこうして仕事をしてるんだろうか、
成り行きのような感じで始めた気がするのだが製紙技術が学院の研究で目処が立ったらしいのならここに居る意味は薄いような。
いやいや、まだ量産やら機動に乗ったわけでもないからいいのか。
こういった事業にはやはり国家権力的な方面からの助力も必要だろう。
必要だと・・・思う事にしないとやってられない。
もっと精神的に楽にならないといけないだろう。
「というわけで仕事を辞めたいんだが?」
何時もながら部屋の壁際に待機しているコジュウロウに振ってみる。
「わたしに言われましてもな」
「ですよねー」
ならば大筋にと行くほど怖いもの知らずでもない。
未だに権力に逆らえる地盤などないのだから。
最強系主人公ならこの土地の戦力を相手どって全て倒して更には脅迫まがいの交渉と行けそうだが、
自分にはそこまでの胆力と実力が足りていない。
戦力分析もどきをしてしまう自分の性格が憎たらしい。
何も考えずに無茶が出来る馬鹿がこういうときは羨ましく思えてしまうのだから不思議だ。
常日頃ならはた迷惑なだけだと切って捨てる存在なのだから。
と鬱々した気分が暗い気分をループさせるのでさっさと仕事して飯にする事にした。
ご飯ってのはどんな気分の時でも美味ければ状態異常を回復してくれる魔法の薬のようなものなのだと。
今のところ抱えている案件はそう大した事は無かった。
この間の件がなんとなく解決してからこっちに回る決済は減ったからだろう。
流通系の話と街道整備に伴う公共事業と雇用問題はそろそろ手を離れるだろう。
地味にギルドでの職斡旋も失業率下げてるみたいだし。
現代日本に比べるとやはり生活水準がまだまだ足らないだろうが、出来る事っても大してないからな。
自動車と細かい技術力ぐらいしかざっとしか思い出さない。
自動車生産とかは無理だろう。そうすると工業化からくる技術力を売りにして稼ぐかだな。
前にも考えたが元々江戸時代ぐらいには匠って言われる独特の技術者はいたけど経済成長をしたのは戦後からだったか。
改良や組み合わせによる技術の進歩が主なところなので、基礎になる技術が出てこないと主軸の産業にするには苦しいのだろうか。
そういえば、鉱山やらなんやらここいらに在るのだろうか?
資源系については詳しくないのでその辺りも調査が必要かもしれないか。
地力が足らない気がまだまだするか。
二次産業に移る前に一次産業である食料生産やらの底上げをもっとやらねばか。
食料自給率が低いと人口が増えても支えれないっぽいし。
現状でも水路などの水周りを整備しているので稲作など作物の向上も行っているが、それ以外か。
知ってる辺りの肥料系研究をさせるよう手配する。
研究関連は国元でさせず学院の研究部門のほうでやらせる。
なにかあっても利権関係が多いと何かと役に立つだろうしな。
あとは麺類につかえる小麦系も米と平行して作付けさせるか。
物はあるのだから品種改良の概念で研究もしてもらおう。
「あとは調味料か。コジュウロウこの領地以外も含めての調味料の調査をさせてほしい」
調査依頼の書類をコジュウロウに渡すとすばやく部屋を出て行った。
お目付け役が居なくなったところで、さっさと帰るとしよう。
面倒ごとが起こる前に家に帰るため控えの部屋にいる部下に言付けだけして城を出る。
異世界系であると調味料などは知識を元に調合したり偶然発見!!というプロセスがありそうだが、そんな専門知識は当然ないので研究名目で種類を増やしていくか。
こんな時代?でも職人はいるようで概念っぽいものを提示するといろいろ試作してもらえる。
そう自分で無理なら他人にやらせればいいのだ。
ぶっちゃけ上の役職に居るのが間違っているので早く本に埋もれて居たいのだがな。
帰り際に大通りで行きつけの定食屋に寄ってご飯を食べて帰宅。
外食ばかりとも思うが食事するのがとてつもなく面倒だ。
家政婦でも雇うかな、食事代も馬鹿にならないだろうし掃除などの家事もある。
俸禄として給金はもらっているので雇うのは問題ないだろうが、普通の人間とやっていけるのだろうか。
そこがとてつもなく不安なのだが。
自分の巣には他人は居てほしく無い所だ。
ぐむ