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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
3章 領内外
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046 視察と休暇(3)

「まずギルド員として活動するにあたりの規約になります」


「はい」


「基本的に"依頼の受注"という形で仕事を請ける事が出来ます。

依頼の受注が出来るのはこのギルド本部またはギルド支部となります。

依頼には期限が設けられており、期限までに依頼内容をこなせないと依頼失敗となりギルド内の評価が下がります。

この評価は十段階にわかれており、

ひ(1)、ふ(2)、み( 3)、よ(4)、い(5)、む(6)、な(7)、や(8)、こ(9)、と(10)

と評されています。

『ひ』から始まって最上位が『と』となります」


和読みで評価がでているのか、新鮮だな。


「評価によって依頼の受注に制限や優先権がつく事がありますので、報酬の高い仕事をするには評価を上げる必要があるのです」


「そんなに多種の仕事があるので?」


短期の仕事(アルバイト)がそんなにごろごろしてるものなのだろうかと疑問がでたのできいてみた。


「この都市外だと土木関係によってしまいますが、ギルド本部では多種多様な依頼を受けています。また同じ内容でも信用度が必要な仕事にはそれだけの報酬が出されます」


使えるかどうかわからない労働力にはそれなりの報酬、要求どおりの仕事をこなすならそれに見合った報酬というわけか。

実利にあっているようなそうでもないような?


「そういった関係で、ひ(1)の段階で評価が負の方まで落ちるとギルドから登録抹消となる事もありますのでご注意ください。またこれは犯罪行為など加担した場合も適応され、役所に登録内容の写しが届けられることもあります」


「基本的に依頼を受けるかどうかまでは義務がありませんが、一度受けた依頼に関しては相応の義務が発生するので慎重に依頼内容は選んでくださいね」


「身の丈にあった依頼を受けろという事ですね」


「まあ、その通です。またギルド側から適正を見て依頼をお願いする事もありますが、拒否権はあります。受けていただく場合は、ギルドの心象が良くなるといった程度でしょうか」


それは、心象で評価にも影響がありそうだな。

評価を上げるとしたらノブヨシを締め上げるのは有効な手段だろうか・・・。


「ここまでが登録者の義務のような内容ですね。

ここからがギルド側の義務のようなものです。

まずは仕事を求めて来た場合にはどんな小さなものであれお渡しできるように仕事を確保しておきます。

評価にかかわらずなので最低限の雑用仕事の確保になりますが、こなしていれば飢える事だけはないと思いますよ。

そして、ギルド経由でだした依頼に関してはなにか揉め事などがあればギルドが仲介として依頼主との交渉を受け持つ事が出来ます。依頼の斡旋もふくめてその兼ね合いで報酬の一部をギルドが徴収していますので何かあれば遠慮無く申し立ててください」


「そんなに依頼主と問題がおきるので?」


「まあ人材の優劣や報酬額の減額などといった程度のいざこざですがね。そのあたりからの保護も含めてギルドの役割になります。

またギルドから出される身分証は各施設でも使える身分証となっているので、その保証人としての一面もありますね」


旅という概念がないので今ひとつ効力が分からないが免許証や学生証の代わりのようなものか。


「ギルドが運営している施設の割引にも使えるので、ギルド証は無くさないようにしてください」


「それって、どんな形のものなんです?」


定番だと魔法カードだろうけど。


「特殊な飾り板です。特殊な加工が施されていて複製が難しい品ですね」


重くなければいいが・・・小さいと無くしそう。

しかし板とか複製できるだろうと思うのだが。


「現物は五日後の発行になりますが、それまではこちらの仮証をお持ちください」


紙で書かれたそれは確かに紙工技術がないと簡単には複製できないな。


細工技術が発達したら紙幣発行も考えないとかな。

金銀の貨幣はそれ自体に価値があるけど物量的に上限がありそうだ。


「五日後に取りにこればいいんですね?」


「はい、名前とその旨をお伝え頂ければ誰であれ職員が対応できますので」


お役所ちっくだな。


「分かりました、ちなみにこの仮証でも今日から依頼は受けれるので?」


「一応は可能ですが、仮証の間は仮舎での食住は保障されますのでこちらでギルド機能をご確認する事をお勧めします」


パンフレットのような少し厚い紙に書かれた各種施設とその他補足事項を渡された。

初期説明という事だろう。しかし今は5日も飯の保障をしてるとか儲かってるんだな・・・。


「五日後にそちらの案内は返却願いますね、再度確認する場合は掲示板横にも同様のものが張り出してあるのでそちらでご確認ください」


「ありがとうございます。それでは」


お礼を言ってギルドを後にする。

そういえばノブヨシは・・・結局放り投げて終わりだったな。


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