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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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004 村

人が集まれば集落になって、大きくなると村になる。

まあそんな風な認識だったのだが・・・人が一気に増えた。


増えた理由はこの間の交渉の結果なのだが、なんとまあ様子見を一足飛びにして村に越して来たのだ。

人数も15人と一気に増えた。


「ようこそ、かな」


下は5歳から上は15歳ぐらいだろうか?

子供たちを引き連れてきたのは先日会った女性だった。


「こちらこそ宜しくお願いしますね」


「しかし、こちらの状況を視察する前に越してきてしまって良かったのか?」


「ええ、あの町で暮らして行くにはそろそろ限界でしたから・・・」


苦労を滲ませる苦笑いを浮かべつつそう告げられた。


「なんにしても、まず住む場所に案内します」


まあ、案内と言っても建物は三つしか無いのだが。


移住者向けに新しく建てた建物へと案内した。


「ここが、仮宿になります」


「仮宿?」


「ええ、他に建物が無いのもありますが。この建物である程度生活になれたら個々に家を建てて行く方法を取ろうかと思ってまして」


「この建物だけでも、結構立派なものですが・・・」


そう言って見上げたのは、二階建ての木造建屋だった。


ここでは二階建てというのは珍しいが、内装は一室あたり六畳の小部屋が並ぶ仮設住宅のようなものだ。

寝起きするスペースしかない本当に仮の建物と行った風情だ。


「部屋割は任せます。暫く食事は私の使っている家のかまどを使ってください」


正面に立っている家を指してそう言った。


改めて食堂を作らないといけないなと頭の中の作業リストに追加した。


「それじゃあ、ざっと回りを案内するので付いてきてください」


先を促し、畑と川辺等周辺を案内する。


案内が終わった所で食事をしながら明日以降の打ち合わせをしてその日を終えた。


他人との共同生活というのは慣れないので気疲れをしそうだが、子供達であれば大丈夫だろうか?

生活基盤の心配よりも対人関係の方が心配とは、これからが心配だな。


寝床で思ったのはそんな事だった。



村人が増えてから二日目

まずは畑作業の指導から始まった。


とはいえ家庭菜園のように敷地で畑の手入れをしていただけあって、道具の用意や畑に植えてある野菜の説明。あとは水場への案内などを午前中にするだけで事足りた。


問題なさそうだったのでこちらは別作業へ。


まずは村人が増えた祝いとして肉を振る舞うための狩りへ出かけた。

目当てはイノシシの肉。

次いで建築用の木の切り出しだ。


しかし、他人に支持を出すより肉体労働をしていた方が気が楽だというのも

脳が筋肉だと言われそうで嫌なものだな。まあストレス過多になるよりはましなのだろうけど。


予定よりも人数が多かったので、見合わせで木製の道具をあつらえてみたが案外使えたようだ。

本当は金属加工のものが良いのだろうが、まだまだ手が出ない現状。

やり込み系ゲームの道具集めのようだが当分は自作出来る物でなんとかしないといけないか。


ここでも世の中金だというのが侘しいものだ。


とにかく木材確保をして家屋を建て増しせねば。

当分はキコリ生活かね


一週間も経つと色々見えてくることがある。


人が多いと言うことは大変だというしょうもない事なのだが、

とにかく備蓄していた食糧が見る間に目減りする。


一人で居たころは毎日自給自足して保存できる余った分を貯める事ができたのだが

現在は確保できる食料に対して消費の方が多いと言った感じだ。


食べ盛りの子供を養うのも難しいものだが耕している畑で賄うのはまだ少し先にになりそうだ。


山で狩をするにも限界は当然あり、自然の恵み頼りの生活はできない。


ならどこで補填をするかという話だが・・・あまり思いつかないが

そこで活躍したのは、孤児達の面倒を見ていたツバキであった。


「長期的な収入を得るには細工物がいいんだけど、日銭を稼ぐなら町での肉体労働が一番だと思うよ」


慣れたものなのか翌日早速働き先を紹介してもらった。

平等に考えれば孤児達にも自分の食い扶持を稼いで貰うべきだがまずは実地でこちらの労働内容を見極めたいのと案外農作物の世話は人手がいるのとで、結局一人ででてきたのだ。


「よろしくお願いします」


話を通した先は建築関連の仕事でいわゆるドカタのようなものだ。


実際問題写本の作成などもあるにはあるらしいが、手間隙の割りに儲からないようだ。

それに比べてこちらの手伝いは食事つきの上、出来高払いとの事なので身体スペックからしても丁度良い仕事内容だ。


向こうでもアルバイトはしていたのだが、こうも活発に身体を動かす事はやってこなかったのでいろいろと戸惑うことが多いが、三日もすると多少は慣れることができた。


最初は雇用側も大丈夫かと思っていたようだが、慣れてきた頃から一気に稼げるようになった。

重い荷物も軽々運べる上、整地作業やらの力仕事の能率が極端に良いのだ。

その代わり職人技の様な繊細な作業は苦手なのだがそれでも五人力ぐらいは働けたの当然給金も相応の額が貰えた。


とはいえ大所帯を養うには当然稼ぎは足りないのだが


しかしながらこの仕事での利点が別にあった。


個人で持っていなかった建築技能の習得と建築資材の目星を付けることができたのだ。


山に近い村では木材の切り出しが出来、今回の仕事で身に付けた技能である程度の資材加工が出来るようになったのだ。

そこで、資材の売り込みは出来ないかと話をして見るだけ見るとの事になったのである。


稼ぎは食料の買い付け等には当てず、まずは道具購入に当てる事となった

短編過ぎたので編集まとめ。一ページの文字数目安決めておくかな?

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