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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
2章 宮仕え
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027 旅路のひと休憩

"三葉山"と何でそんな由来が付いてるのか不明だが、地名などは大体そんなものだろう。


さておき神様の元へ贄として行く事になったのだが、まずはふもとの神社へよる事へ。


催事を取り仕切っている儀典院なるものが有るらしい。


そんなの初耳だったのだが有ったようだ?


気分的には宗教関連の統治組織なのだろうが、宗教組織だと教会って出るのは現代だからかな。


現代日本では宗教感は大分薄いものでごちゃごちゃと多宗教が乱立する混沌とした土地だったのだが世界的に見れば教会の信者が多そうなイメージだ。

当然ヨーロッパ圏とアジア、アフリカなど土地柄で分布は変わるのだが、その中でも日本程多宗教が乱立して成立している国は無いだろう。

その中には無神論者もいるのだし。


実際こちらでは宗教関連に対して余り係わって来なかったので知識が不足している。


日本系だと神道と仏教だろうが実際に神が居るとなると話は大分違ってくるような気もするのだが。


大して興味が無いので仕方が無いか。


神様のご機嫌を伺いながら収穫高を望むより、技術を使って安定した方が良い。まあ文明社会が必ずしも良い事ばかりではないとも思うのだが、不便過ぎるのも困りものなのだ。


何かの気分一つで変わる世界というのは、やはり歪で理不尽なんだと思ってしまう。


思ってしまうのだが自分の行動は気分だけで動いている部分が多々あるから、他人の事は何とも言えないという状況にも。


国の大事であるはずの催事に行くにも得に共も居ない状況で馬を走らせた。


このまま、逃げ出したら楽なんだろうかなと快晴の空を見ながら思う。


なんでこうもいい天気だと、仕事をしているのが馬鹿らしく成ってくるのだろうか。


途中途中休みやすみで目的地に向かう。


こちらに来てからもう季節は四回は過ぎているんだったか?


曖昧な時間の流れを思い出しながら、木陰で一休みして食事にする。


目的はまだ達成できていない。それでも、別の可能性がある事に気付いたのだ。


何も苦労して頑張らなくても、神が居るのなら日本に帰れるのではないかと。


神は万能であっったとしても、人間に何もしないというのが現実的な認識だろう。


だがしかし、兎の神様は身代金をしっかり払ってくれた。そして龍神が居るという。


八百万の神という言葉が有るように、次元を渡る神が居る可能性もある。


但し元の世界に戻るには代償が要りはしないだろうか。


「無料で何かしてくれるなんてことはないだろうな」


対価を用意できるといいが、というか見つかるかどうかが前提なのだが。


「取らぬ狸の皮算用という事だな」


それにしても、天気がいい。


屋根の上で昼寝がしたい天気だな。


うとうとして時間を潰した後また移動を開始した。


街道が整備されているというのは旅路ではかなり楽なものだ。


まず迷わないというのが大きいのだが、走りやすいといのもある。


恐らく整備前であれば十日は掛かったかもしれない工程が馬を使って一日で駆け抜けるとか便利なのだが情緒が無いというのか微妙な心境だ。


街道整備が進んだ副産物として街道沿いに宿場町が増えた。

これは流通が盛んになった事と今までは有り得なかった観光という概念が浸透してきて、それを行うだけの材料と移動手段の拡充の為だろう。


視察も兼ねてその日は休む事に。


「うむ、美味い!!」


出された料理に舌包みを打ちつつご飯を食べる。


食についても大分改善がされてきているようだ。基本民が食べるのは質素な食事だったのだが、農耕が盛んになり耕地面積が増える事で作物の生産量が増えているのだ。


富裕層の食卓が潤うのは当然だが、自分たちが食べる分と税として納める分を差し引いても余る分が出て来たのだ。その分は流通にのって出荷される流れとなるので、食卓に一品増えるという現象ができ上がる。また宿では客を取り込む為に普段は食べれない食事が振る舞われる事になる。


食が豊かだと人生幸せだなと思うんだ。


美味いは正義だ!!


それだけでは足りないのだがな~。


風呂と食事を堪能して就寝へ。


自分がやって来た事が良いか悪いかは解らないが、自分がここでも幸せを感じる事ができるのならば。

顔も知らない、名前も知らない他人がどう思うかなど関係無い事だろう。


好きに生きれないのはつまらないし、我慢する意味も薄い。


実際はストレスが溜まってきているのでそのうち体調に影響が出るかもしれない。


早く強く成りたいものだが、武術に精を出す時間も取れなくて事態の打破にはならない。


自分の地位では武力が無いので、国盗りも無理そうだ。


日本で好んでやっていたゲームのように、無双出来る力が有ればと思うが。


有っても自分の手で人を殺す事が出来るだろうか。


出来る気もするし、出来ないような気もする。自分が優しいわけではなく、やはり自分の手を汚すのが嫌なのだろうなと。ではやはり配下として武力がなくては・・・・。


ぐるぐると無駄な事を考えてそのうち眠りについた。

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