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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
2章 宮仕え
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018 どうしたものか

「おぬしがヨシカか、若いのう」


掛けられた声は嗄れており、年齢を重ねた趣を感じさせる。


「今回おぬしを呼んだのは、噂の主を見てみたいと思ったからじゃが」


ふむと大名は一拍貯めた。


何かを考えるように顎に手をやりこちらを見ている。


こっちみんな!!と言いたくなるなあ。


「会ってみてますます解らなくなったのう。お主何者じゃ?」


以外と鋭い眼光がこちらを捕らえる。


穴が空くほど見つめるといった所だろうか。


「何者と問われましても、なんとお答えすればよろしいでしょうかね。単純に町のまとめ役なだけですが」


「ではどこから参った?」


尋問タイムか・・・答え方を間違えると打ち首コースかな・・・。


「それなのですが、実は具体的にどこからというのは解らないのです。というのも私は昔の記憶が有りませんので」


「記憶が無いとな、しかしなにやら珍妙な方法で町を大きくしていると聞いておるが」


珍妙て・・・、まあ日本の知識を持ち込んでいるからそうなるのか。


・・・・みんなのそんな目で見てたのか。


周りにいる知り合いを思い浮かべ少し複雑な気持ちになった。


「おぼろげながら思い出せる事を再現しているのです。いつか記憶が戻るのではないかと思い」


記憶喪失って便利だなーと思いつつ適当に話を作る。


大名は変わらず顎を手でさすっている。


「おもしろいのう、うむうむ」


ご老体はにやりと笑った。


嫌らしい笑いというのこう言うことかと顔に出そうになるのを奥歯を噛んで押さえる。


「おぬしを取り立てるとしよう、明日から登城致せ」


「・・・恐れながら私には町の運営がございます。それを捨ておいてお仕えするわけにはまいりません」


「その件なら、末の息子を代わりにやる。あれもそろそろ学ぶべき時だろうて」


この爺・・・せっかく大きくしたのにかすめ取る気か、どうするか。


今ここで逃げ出しても大名という事はいつでも町に手を出される可能性がある。


だからといって、拒否権はなさそうだが。


「お断りする訳にはいかないでしょうか」


「ほう、仕えるのが嫌と申すか。理由を聞こう」


「非凡な身でありますから、お役に立てないかと」


逃げ道の一つとして無能なので雇わないでくれアピールをする。


「それに常識もございませんので、知らない事が多すぎますれば」


実際よくそんなことも知らないのかと言われるからな。


「ふははは、それも一興よ。明日より楽しみにしておるぞ、下がってよい」


理不尽な・・・。


殺意が漏れ出たが瞬間寒気が走った。


なんだと思った所控えていた男が刀に手を伸ばしていた。


気圧されるというのこう言うことなのか、鳥肌が立った。


「し、失礼しました」


それだけを強ばっていたであろう顔で言って退出した。


つき従うように男も付いてくる。


部屋を出た所で男に声を掛けられる。


どうやら今日から住む場所に案内するとの事だ。


「町に手紙を出してもかまわないでしょうか?引継について知らせたいので」


「あとで持ってこさせよう」


案内されたのはわりとしっかりした屋敷だ。


庭とか広くて草がぼーぼーで荒れ放題。

スバラシイデスネ。


状況確認。

1.大名に召し抱えられた。

2.せっかく軌道にのった町の運営を大名の末息子に引き継ぐ

3.退路無し


1と3はまだいいが2に関しては早急に手を回さないと。


届けられた紙と炭を貰い。


数時間を要してあらましを書いて送る。


検閲はいるんだろうが、大丈夫かな。


ツバキがいてくれるからよっぽど大丈夫か。


用事を一つ片づけて懸案のほうに戻る。


なにをするにもあの男には今のところ勝てる気がしない。


武芸に磨きをかけるとああなるのかという雰囲気だ。


気配がどうとか身のこなしがどうとかいえるほどわからないのだが背筋が凍りつくというの初めて体験したのだ。


打ち首は無いが、なかなか緊張した状態ではある。


他人に生殺与奪件を握られる事の不快さはスゴいものだ。


大名クラスと事を構えるのは無理なのでなんとか逃げたいところだが、権力も武力も向こうが上とか望みが無い。


「はぁーーーーー」


深いため息も出るってば。


後一つ、使者があの男の弟というのも問題だ。

どう処理するか。


早めに伝えておくか。


意を決して屋敷を出ようとしたら、あの男に取り押さえられた。


「わー、わー、わーーーーーー」


心臓が飛び出るかと思った。


「どこに行く気だ」


「あ、あなたにお話があったので・・・」


ばっと手を離された。


どうやら逃げるとでも思われていたのか家に張り付かれていたようだ。


「実は弟さんの事なのですが」


「サダカネがどうした」


ギンッ、と効果音が見えそうな眼光だった。


「ええとですね、なんと言いましょうか。事故で意識不明というのは誤りでして」


「どういうことだ」


迫るな怖いから。


「こちらに切りかかって来られたので、叩き伏せました」


「!?」


「あまりに暴れるのでお座敷でおとなしくしていただいています」


「そうか・・・」


怒りに我を忘れて襲ってくるかと思ったが案外冷めた反応のような。


「あれも武官の端くれだ。お前のようなものに組み伏せられるなどいい薬になっただろう」


ふんっと鼻をならす。


仲が悪いのだろうか・・・、読み辛いなまったく。


今夜もぐっすりとは眠れなさそうだ。

今後の展開リクエストも募集中。

思いつきで書いてるからな。

キャラ名人名辞典でも引くべきか

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