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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
2章 宮仕え
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017 出発

使者を保護(かんきん)しておいて大名に会いに行く事に。


まずは役人経由で拝謁予約を入れる事に。


手続き事態はそんなに難しくは無かったのだが、割と大名のお膝元は遠かったようだ。


「そんなことより、お偉い様に会うのが嫌なんだが?」


「知りませんよ」


「知るか」


「おまえが責任者だ」


「気になるようなアナタでもないでしょ」


意見を聞きに言った所所々でそう言われた。


「話したら最悪の状況になるよ」


といったら。


「「「もう遅い!!」」」


と言われた。


人生に手遅れなんてない!!と言いたかったが、

無理だなと自己完結した。


正直大名とかどうやって話をすればいいやら。

礼儀作法については、よく知らない。


大名に会うぐらいなら学院で教鞭をふるっていた方がまだ楽しいだろうに。


それはそれで面倒なんだが。


実際その機会は必要なくなっているので、やることが無い自分が出るのが適切なのか。


マガリナリニモ責任者だからな。


なんだかんだと人材が揃って自分が居なくてもこの都市は運営できるゆになってるのもあるか。


なにより暇つぶしになるか。


「打ち首か」


使者の言葉を思い出す。


手打ちにしてくれる!!という台詞はよく見るがこの世界だと実際にあるんだろうなと思う。


実際大名に手打ちを宣告されたら逃げられるか。


逃げるだけなら自慢の脚力でいけるだろうがその後都市には戻れなだろう。


反旗を翻す戦力が特にない。


軍事力など当然保有していないので勝てないだろう。


警備員程度の小規模なものは居たが・・・駄目だろうな。


最悪の事態も想定して逃亡の準備だけしておくか。


決めたら早くて翌日には移動を開始していた。


大仰な行列でという事もなく、街道の乗り合い馬車に乗っての移動になった。


特に顔が知れ渡っている事もなく、街道上はすんなりと移動が出来た。


そこからが問題だったのだが。


基本街道整備は元村を中心に近隣の村近くを通過する用に延ばしていったが未だ一番近かった町以外には到達していない。


道の整備がありがたいと身を持って知ったのは街道から離れた所からだろう。


乗り合い馬車で移動していた時はあっと言う間に感じた道のりがかなりの重労働に。


足場が悪いだけで移動速度は極端に落ちたのだ。


とはいえ常人よりはかなり早い移動速度なのだが。


都市を離れて5日が過ぎたが地図によるとまだ三分の一も移動できていないようだ。


流通面を考えるともう少し街路の拡張を考えなければいけないようだが、予算が無いな。


あとは地味に道に迷ったりもしているからだろう。


地図といっても全ての小道が乗っている訳でもなく、標識が在るわけでもないので何度か道を間違えていた。


おかげで人を見かける度に声を掛ける羽目になった。


やはりなりふり構わず道案内を連れてこれば良かっただろうか。


当初は大名の所までは天蓋付きの馬車で行こうやら護衛をたくさんつけるとか出たのだが、最悪逃亡を考慮した結果一人で出る事に。


言い訳としては足が速いから会わせるのが面倒だとか色々ゴネたわけだが、裏目に出たようだ。


結局大名の城下に着いたのは20日後になってしまった。


移動手段用に馬に乗れるようにならないと駄目だなと思ったものだ。


城下に入った感想は、思った以上に寂れているという事。


実際の規模はかなり大きそうなのだが、活気が感じられないのだ。


表通りから少し外れて裏通りに入っていくとさらに酷く感じる。


浮浪者とおぼしき痩せた痩けた住人が路上に横たわっているのもちらほらとみる。


この分だとだいぶん治安が悪いんじゃなかろうか。


町中をある程度みて回った後、城を目指した。


挿絵(By みてみん)


城も思ったほど大きくない。


ふう、緊張するな。


大きく深呼吸をしてから登城をしようと門へ向かった。


「なに用だ!!」


まあ、門番に止められました。


当然か。


「大名様に謁見に参りました」


できるだけ丁寧に使者が来て呼ばれた事と事前に連絡してある旨を伝えた。


「確認してくるのでしばし待て」


門番の一人が場内へ確認しにいった。


さてはてどうなる事やら。


暫くして門番は一人の男を連れて戻ってきた。


「ついてこい」


男はそう促して歩きだした。


生真面目そうで髭を蓄えた厳つい顔だと思った。


怒鳴っているのが似合いそうな・・・、苦手なタイプだな。

しかしはて・・・見た事がある顔だが。


「サダカネが世話になっているようだな」


前を歩く男がそう話し掛けてきた。


サダカネって誰だ?


記憶を探ったが出てこない。


思いだそうとしているとこちらを見た男が補足を入れてきた。


「使者として赴いた者だ。私の弟だ」


う・・・ぐ・・・・


まずいまずいまずい。


今のところ敵意は無いが実は叩き伏せて監禁中というのがばれたら切りかかられそうだ。


冷や汗がでる状況なんだろうなと思ってしまう。


ついていった先の大きな部屋に案内された。


奥に背の低そうな老人が腰掛けていた。


身なりと上座という位置から恐らくは偉いさんか大名本人だろう。


「お連れしましたナガマツ様」


男は一度膝をついて頭を下げる。


見習うように一度頭を下げて、挨拶をする。


「お初にお目にかかります。ご挨拶が遅れ申し訳ございませんでした。私が町の代表を勤めさせて頂いているヨシカと申します」


うむ、目を合わせて会話するのが基本だがついつい目が泳いでしまう。


ここからが正念場か。

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