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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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014 手を離れる

ここまで順調だった?のは天の再拝だったのだろうか。


問題らしい問題も無い気がするのだがやはりそうそう順調にも行かないようだ。


報告が上がったのは物流が動き始めて半月程たった頃だった。


競争社会でがよくあること。


他者の足を引っ張り自分の利益とする事。


市場確保をしようとしているのだから当然摩擦もあるのだが、こうもあからさまにやられるとイライラとする。


やられたのは流通販売に対する圧力のようなものだ。


単純に利権関係を貪る商人連中が取引停止をしただけなのだが。


生活必需品からなにから商会の息の掛かったほぼ全てと取引出来なくなったのだ。


とはいえ問題ない、争いは好まないが喧嘩を売られたら仕方がない。


「偉い人は言いました。ならば戦争だ、と」


実際には戦争など起きるわけ無いのだが。


いやしかし、経済戦争に当たるのかこれは?


でも規模からしてそうでもでも無いような。


なんにしても暴力の伴わない闘争ではありそう。


取引が全面的に出来ないということは、兵糧が尽きた戦なイメージだが実際は特に困らなかった。


ここで効いてくるのが街道整備をして流通関係を強化した事だろう。


基本的に町で取引されている物資のほとんどが近隣の村々から仕入れている物なので、商会よりも高条件で取り引きしていれば特に仕入れは困らない。


販売も独自ルートで通常より安く売り出しているので売れ行きは好調ということだ。


これを続けるだけで商会は私腹が肥やせ無くなる訳だ。


商会がここで方針を転換すれば当然こちらの業績を止めれるのだが、碌でもない人間というのは当然自分の所行を省みないし斜め上の行動をする。


思考回路の形成に難があると馬鹿な事を平気でやるもだとため息が出るものだ。


日本人は平和主義者で博愛主義者が多いのだが、自滅するのは本人の因果応報なので仕方がない。


「ということで、建物をどんどん建てよう」


「何の話よ?」


思索に耽って独り言を漏らしていたようだ。


恥ずかしいものだ。


「発展は大切だな・・・とね」


誤魔化すようにそう続けた。


「十分発展してると思うのだけど?」


文脈のない話のもツバキは回答をくれた。素晴らしい。


「目標には達してないからね」


そう、追加建築の前に資金が不足気味になっていた。


たなぼた資金も街道整備でほぼ無くなったしどうしたものか。


畑関連の収穫と二次産業の売り上げで黒字ではあるが純利益は高くない。


ということで商売関係は他人に任せて、肉体労働に従事する。


倒木をして、建物を追加して追加して追加する。


やはり人口増加が一番収入上げのコツだなと。


この時代なのか世界なのか理由は解らないが流民(るみん)がわりと多いのだ。


ある程度大きな町には基本貧民街が多い事からも治安と経済の低さがわかりそうなもの。


つまりそういった人間を集めて住民にうまく加えて行けば人口は増えるのだ。


そんな人間ばかりで治安は心配なのだが、基本治安が悪化するのは食べるに困る事からが多いのだろうが、ギルドのシステムを使って日銭を稼ぎ易くするのと住居を手配する事で大部分問題解決を測っていける。


それだけで解決しきれない問題もある筈なのだが、ここの暮らしが気に入った強面もいるようで自治組織活動も活発になっている。

そのおかげでなんとかなっている面もあるようだ。


住民の意識が高いのも学院(アカデミー)が関連している。

学ぶというのは考える力を養うのに役立っているようで、他人の迷惑を考える。

袖スリ合うも多生の縁を理解できる。

そういった人間が増えているようだ。


ここが日本風なので、国民性からかもしれないのだがな。


外国だとこうも行かない気がするのは、偏見かもだが。


「回り出すとキャラが動き出すとはこのことか」


「あなたは本当に時々変なこと言うわよね」


「いろいろ毒されてるからな、仕方が無い」


「で、今度は何の話?」


呆れ半分の口調なのだが、そんなに話が飛ぶのか・・・自覚が無いのは怖いな。


「いやなに、村の発展も軌道に乗って来たなと」


「私は見込みが当たって嬉しい限りだけど」


ツバキは言うとおり、孤児院の子供達と生活が安定して喜んでいるようだ。

村に対する先見の目が有ったと言う事だろうか。


「なんにしても、人をもっと入れないといけないわけか」


少しずつ噂を聞きつけて入植してくる人間もいるが劇的な程でもない。


あまりに人の出入りが急すぎても治安が悪化するから仕方はないんだが。


仮に一週間で100人規模の人口増加があったとしたらどうだろう。


住居と職の手配だけでもかなり混乱するだろうが、治安維持用の組織も作らなければならないだろう。

食料供給の流通も拡大しないと混乱が生じる。


無法図に建物を建てるのもあとあと流通に支障をきたすだろうから、京都よろしく碁盤の目で道路整備も必要か。


思いついた事をいくつかメモしてツバキに渡しておく。


本当に思いつきだけで行動しているよなと思いながら、兎に角建物を延々と建てる事にした。


街路を計算してどんどんと建築予定地を作っていく。


広がっている農耕地も拡充する土地を考えなければならないだろう。


ある程度開けているので牧草地も考えなければならないが、そのあたりは少し別の村の近くを開拓する計画でも建てるか。


集中してある程度施設を作るとその土地だけで停滞しなくなるだろうし。


ギルドには治安維持目的も兼ねて早く腕の立つ人材が入るといいんだが。

書いてて、良くあるキャラが動く的なのはこんなものなのかなと思った。

実際は全然違うんだが、なんだかんだと他人が動いて色々な所を補ってくれると楽なんだなと。

描写省略もあるんだけども。

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