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その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
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012 商業種

朝日と共に目が覚めた。


さて目覚めは最悪だが今日も一日がんばるかな。


目当てを変えて行ってみることにした。


今日回るのは、不遇の商人達。

若いのやら、とりまとめに睨まれたのとか。


「というわけで手を貸してほしいのだが」


13軒目の店主にもそう話を持ちかけた。


「その話乗った!!」


色よい返事が初めて帰ってきたのだが・・・、


「まだ内容を説明していないのだが?」


「そんなのはどうでもいいんだよ。今の商会から抜けて商売できるチャンスなんだろ?」


「そういうことになるがな、やってくれるのか?」


「おおう!!俺様に任せとけよ!!」


無駄に暑い奴だ。


だがようやく見つけたのだから良しとしておこう。


それに、なかなか憎めない感じがする。


直感というのはやはり大事にしないといけないだろ。


「話が早いのは助かる。それでは基本やって欲しい事方針を話しておくから、気に入らなければ勝手に手を切ってくれていい」


「おうよ、だがあんたのきっぷの良さは気に入ったぜ」


そういって右手を差し出してくる。


握手か、まあ礼節だな・・・。


差し出された手を握り返した。


こういったコミュニケーションも慣れなんだろうかな。


なんとも面倒だが。


なんにせよ拠点がまた一つできたわけだ。


戻るか。



自分の村に戻ってきた。


腰を据えて逗留するのは久しぶりだが。


最近は外に出て戻ってきてまた出るという期間が長かったような気がする。


相変わらず大きくもなっていないが人通りは増えたような気がする。


基本な指針である街道整備が進んだからだろう。


建築物はほぼ建て終わったが手がけて居ないはずの建物も建ち初めていた。


「すなわち住人が増えたということか」


「そうよ、だからこれお願いね」


感心しているとツバキに住人台帳を渡された。


事務仕事か・・・面倒だな。


「ものは相談なんだが、肉を食べたくないか?」


「食べたいけどそれはやっちゃってよ。住民票なんて事を言いだしたのはあなたなんだから」


どうやら逃げられなかったようだ。


まあ村人の素性を知っておくのは必要かと、台帳片手に村人のところに顔を出しに行った。



ここで村の建築物を整理してみるが、かなり混沌としている気がする。


東西南と村には似つかわしくない街道が開通し始めている。村の近くには開拓した農地が広がり始めている。

村の中の建物はギルド本部に学院(アカデミーに宿舎、住民長屋となっている。

川の近くには水車小屋もある。

最後に最初に建てたあばら屋。

それに加えて新築の家が何軒か建築中のようだ。


まだまだ足りてないような気がするが。


まずは始まりの町よろしく基本の店舗系を揃えたほうがいいだろうか。


現在の人口比率は9割が職人系で作業のため逗留中の人、残り8分が日雇いの労働者に当たる。残りの2分が村人だろうか。


とにかく次は店と宿でも建てるかね。


泡銭で公共事業よろしく環境整備に励んでいるので一定の人工はいるように見えるが、事業停止になったら一気に過疎化が進むだろう。


ギルドも学院もまだまだ軌道に乗らなさそう。


やるべき事の一つとして先日町で作った伝手での商売だろう。


商売の基本は仕入れて売るだが、現代では仲介だけでも儲ける事ができる。

だが基本仲介業は金額の抜き取りが酷すぎる例を見てきただけにあまり気がすすまない。


なので加工して卸す方を選択することに。


ただし流通の要になるためには、運送業も手がけなければならない。


そうも上手く行かないかと思ったが、今の商会が吸い上げている分を知ると問題なく運営できそうだ。


基本理念は少しだけ割高で村から食料その他を買い取る、

儲けは運営費分のみ加算して町で売るという事だ。


準利益はほぼ無いが、これで独占販売のようにしている町の商会を潰すきっかけになる。


また中継地なので加工用の材料が安く手に入り、加工済みのものは町へ卸す事ができる。


どこでもそうだが仲介業のピンハネ分が少ないほど高く買い取って安く出しても利益が出るわけだ。


儲けるだけなら安く買って高く売るのが一番手っとり早いが上層だけ肥太っても目的にそぐわない事だし。


他人を食い物にするというのは目覚めが悪い気もする。

気の合わない人間を蹴落とすのには躊躇しないと思うのだが。


さておき、初期投資をして村から流通品の確保交渉なのだがまずは先日つてとなった商人が使えるかどうかの確認だろう。


あの商人の名前は・・・確かサカイと言ったか。


いやに暑苦しい所のあるやつだったが、何故か憎めない雰囲気を醸し出していたな。


熱血馬鹿は嫌いじゃないからだろうか。


本当の馬鹿は嫌いなんだがな。


何にしてもこちらの理念を解って行動できるかが肝なのでやらせてみて信頼度を測るとしよう。


他人を信じるさじ加減は本当に難しいのだが、直感を頼りするのも悪く無い。


自分に合うかどうか話してるだけ何となく分かるものだし有能かどうかは仕事ぶりで解るか。


手勢としては無能は要らない事ですしな。


まあ使えれば営業部門は揃う訳なので次の人材探しか育成かに着手しないとだな。



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