表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その腹黒さも一面である  作者: 縁側之猫
1章 村造り
11/61

010 平和な日

ここの時代背景を見るに学問といえば寺子屋な気もするが、馴染み的に学院(アカデミー)として建てる事にした。


イメージだけなんだろうが、都市になるぐらいの所は国の首都であるか大きな組織の本部がある、又は流通の要になる商業の盛んな所だと。


そうするとギルドの本部だけでは弱いので、学園都市のような学問の本拠地としても育てた方が良さそうと思ったのだが。


そこそこ準備は進んでいるが半年そこらで組織が大きくなる訳でもなさそうだな。


「そういえば、国の一番偉い人って誰だ?」


辺境だからなのか好き勝手やっていても、今のところお咎めはないのだが税金はしっかり払っている形だ。


しかしそれは町にある役所に収めているので、その後がどうなっているのかよくわからない。


わからないのでとりあえずツバキに聞いてみた。


「そんなことも知らなかったの?基本的に統治しているのは皇家、実質の武力支配は将軍でその下が大名になっているわね」


江戸時代風味の制度か、話によると公家もいるが政治関連の階層のようで権力事態は武家に負けるらしい。


暴力が一番偉いわけか。


なんにしても政治的な勢力がいるとなると、こちらが目障りでちょっかいをかけてくるなどもあるのかと思ったが、実際のところは大名あたりの地域統治しているトップはあまり口を出さないらしい。


広域を統治するだけあって、さらに下につく家臣に小地域に区分して統治させ全体を治めているようだ。


町の方でも近隣の村などから税を集める集積所となっているよだが、邪魔だな。


色々とやるには家臣となって、後に大名クラスにならないと自由貿易のような経済発展は無理だろうか?


なんらかの道筋で絶対に邪魔になるだろう。


簡単に首のすげ替えという訳にもいかなさそうだが、おそらく世襲だろうし入れ替われないだろう。


戦乱であれば報償の形で自治権を獲得できたかもしれないが今のところその様子もない。


神には世界征服でも願っておけばよかっただろうか?


いやしかし人間に捕まる程度ではそんな力はないか。


皇家だとおそれ多いとかありそうだが、将軍あたりなら首のすげ替えも可能かと想像した。


それをやるには勢力図を塗り変えるだけの武力が必要だが、戦国時代の日本のように群雄闊歩して最強を決めていたんだからやれないこともないんだろうか。


そんなこんなで時間は過ぎるわけだが、学院とギルドと街道整備以外にも一応働いている。


水車による石臼挽きなどだ。


ピタゴラスイッチよろしく歯車と記憶を頼りに伝導部を設計してそれなりの物を造った。


造ったはいいが三日後に壊れて親方(プロ)に造り直してもらったが。


親方の方はなんでこんなモノをと疑問を差し挟んでいたが、やはり人の手の作業軽減をしていかないと。


村人の人数が少ない今は機械化がやはり発展の一歩だろう。


水車を元に面白い発明をする若人が出てこないものか。


若人というか人を若いと言えるほど歳でもないわけだが。



***  経過   ***



半月ほど経って学院施設も建った。

とはいえまだ平屋建てなんだが、学院(アカデミー)も初期はこんなものか。


学生も居ないので午前中子供たちの教育から入った。


簡単な算数と科学などだが講師になれる者もさほどいない。


暫く子供たちを教育していくと村人たちも時間を見て参加するようになった。


学ぶというのはやはり楽しいようだ。


成人までほぼ学生として過ごす日本出身だと面倒だと思うんだがな、


「それにしても、あなたは不思議な人ね」


事務処理を終えて昼食を取っている時にツバキにそう言われた。


「普通だろう?」


「普通の人は畑でも耕して一生終えるのよ。神様捕まえて身代金貰ったり、訳の分からない組織作ったりしないもの。まして他人の為に物を教える建物を建てるなんて普通はしないわよ」


「別に他人の為にやっているわけじゃないし、自分が目的を為果たす為の手段だな」


「それでも普通の人はやろうと思わないし、思っても出来ないわよ」


「そんなものかね、まあ好き勝手やれているという自覚はあるけれどあまり上手く事が運んでいるとも思わないんだが」


実際ギルドも学院(アカデミー)も建物は造ったが円滑に運営出来ているわけでもないし、よくよく考えたら国に認められるか歳月を掛けないと大規模な組織にはならないだろうと。


よくよく物語で存在している学院やギルドも最初はこんな感じだったのだろうか。


一年掛けずに国家機関より大きな組織は・・・出来ないわなあ。


まあ時間はかかるとしても基盤づくりは大事だって事で。


思いついてる所では商業系の基盤づくりか。


今現在でも商業に関しては商会組合のようなものが町にもあって利権を貪ってる感があるのだが、目障りだし。


「なんとか潰したいな」


ボソリと漏れた言葉にツバキはひきつった笑みを返していたような、気がした。


気がした。


なんにせよ取っ掛かりが無い今現在では動きようもない。


逆に言う取っ掛かりが在れば行動に移れるのだろうか?


人間的に及第点以下だろう人物が組織のトップにいるとしても、今ある組織として確立しているものに対抗するには経験と技能不足な気がする。


暗躍に適した部下が欲しいなこれは。



そんな平和な一日も特に問題なく過ぎてまた日は暮れてゆく。

誤字脱字が目立つので適度に修正。指摘あればお願いしますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ