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多分世界に追われる日々  作者: 高橋 よう
第二章 あなたはぼくで僕は貴方
21/23

十五逃 イキり厨二病勇者

「じゃあ改めて説明するね」

そう言って、ホシスタは大きめの紙を取り出す。それには、H〜Sと書かれ、八層に別れた冒険者の階級のピラミッドが描かれていた。

「ジャックスの今の階級はコレ」

そう言ってホシスタがHと書かれたピラミッドの一番下、Hと書かれた層を指差す。

「H級はいわゆる研修期間だよ。C級以上の冒険者と一緒に数回依頼をこなして、その人から進級の許可が降りたら階級が一つ上になって、プレートがもらえるの。個人またはパーティーの階級による討伐階級制限は基本ないけど、ギルドがあまりにも実力とかけ離れていると判断した場合は承認されないわ」


次に、HからFへと指をずらす。

「F級は単独での任務許可。H級は見習いでF級は半人前といったところね。そしてこのF級のプレートは木で作られるの。あとは少しずつ階級を上げていくしていく感じ。飛び級も一応あるよ。ランクアップに応じてプレートの素材もどんどん豪華に変わっていくよ」

「ジャックス君。ちなみに冒険者の中では、A級で人外、前人未到のS級で化け物に認定されるんだ」

コーガが自身の冒険者雑学をジャックスに披露する。


「もちろんランクが上がれば上がるほどもらえるお金は増えていく...けど、その分命を落とす危険も強くなるの...

それでも、冒険者になりたい?」

ホシスタの表情からは、「必要以上に背負う必要はない」という優しさが伝わってくる。

「もちろん!絶対に後悔はしません」

それにジャックスはキッパリと迷いなく応える。

「ジャックスは大丈夫です。なんせA級の僕がいる。...”元”でしたね」

「...そういうところは、シルクちゃんにそっくりね。ほんと、血は繋がっていないはずなのに...不思議。それと、コーガはブランクがあるからC級からまたやり直しね」

「ぁ...はい...」

ジャックスの力強い返事にシルクの面影を見たホシスタが微笑む。

コーガは自信に満ち溢れた表情から一気に暗い雰囲気へと戻る。


「ふふっ... 私も久しぶりに帰ってみよっかな... そうだ!何か質問はある?」

「はい!」

ジャックスが元気よく手をあげる。

「このS級のプレートの素材の王龍ってなんですか?」

「あぁ...それはねぇ」

「待ってください。それは僕の口から説明するよ。この王龍は、プレートの素材であると同時に、S級への昇格試験の内容でもある。...王龍のダンジョン。別名『王の墓前』...ダンジョンに狩られた人の数の多さからつけられたあだ名だ」

コーガの脳裏にダンジョンに挑んだ時の辛く苦い思い出が蘇る。

「...王の...墓前...!」

「この王龍には会ったことがある冒険者は未だいない。ダンジョンがあまりにも手強すぎるから。王龍の魔力に惹きつけられて、A級の魔獣がゴロゴロいる。だから、王龍の御前に行くことはできないし、結果として、S級になることも出来ない」

「............」

これを聞いたジャックスは恐怖を感じるとともに王龍に対する確かな好奇心が芽生えた。


「はい... これで確かに手続き完了です!」

今更ながらホシスタが形だけ敬語へと戻す。

「つ、疲れた〜」

想定よりも時間がかかってしまった手続きにホシスタが思わず声を漏らす。

本来、普通の申請であればそこまで時間はかからないのだが、エジェリーであることがここでも支障をきたした。

つまり、受理の最終決定権を持つ、ギルドマスターからの嫌がらせでなかなか通らなかったのである。

しかし流石にホシスタも泣き寝入りするわけにはいかず、小一時間ほど口論となった。

「まさかここまで時間を食ってしまうとは思っていませんでしたね...」

コーガがホシスタを励ます。コーガの復帰の申請はすんなりと通った。

「本当にありがとうございました...!」

ジャックスは一生懸命励まそうとはしているが、これからの冒険を思い浮かべて口角が無意識に上がっている。

「...そんなに喜んでくれるんだったらおねぇちゃん頑張った甲斐があったなぁ」

 思えば孤児院にいた時は何にもしてあげれてなかったし...

ホシスタが憔悴しきった顔でジャックスに作り笑いを向ける。


「さて!冒険者登録は済んだことだし、初依頼、受けてくでしょ?」

「もちろんです。そのためにわざわざ僕が冒険者に復帰したんだから...」

コーガが苦虫を噛み潰したような表情をする。

「僕もちょっと緊張してます... まずは軽くゴブリンの討伐から始めさせてもらおうかなって思ってるんですけど...」

「は!?」「分かったわ。さっそく手続きしてくる」

手配書の控えを持ってカウンターを離れるホシスタと、無言で驚くコーガ。

コーガが驚くのは無理もない。この世界では免許皆伝の一般的な判断基準がゴブリンを単独で倒せるかどうかなのだ。

「...ジャックスくん、ゴブリン倒せるの?」

「エジェリー家って森に囲まれてるじゃないですか。なのでよく現れるから、殺してたんです」

担当は僕でした!と精一杯のドヤ顔をコーガに向ける。

「へぇ...そんな草刈り感覚で...すごいねぇ...」

 ...全力を出せていないとは言え、一度、僕に勝っている相手。

 でも、親善試合と本当の戦闘はまるで違う。

 命対命。殺し合い。叫び声、生物的に動く断面、噴き出る血、無数の思考判断。

 結果としてその全てが牙となって向かってくる。

 ...それをこの歳で克服、か。本当になんであんな環境で育ってこんなに化け物だらけになるんだ。

 いや、だからこそか。

コーガがそんなことを思っていると、書類を持ったホシスタが戻ってくる。

「はい、無事承認。と、いきたいところなんだけど...」

ホシスタがチラッと下の方を見やる。ホシスタの視線の先には、ジャックスとほとんど同じ年齢くらいの背格好の子供が立っていた。

「ギルドマスターからの交換条件で、この子も連れて行くことになっちゃった」

ホシスタがテヘッと舌をだすが、ジャックスとコーガは子供の方に夢中になっていた。


それはこの少年がこの世界にはないはずのパーカーを着て、黒のマントを羽織り、左耳には勾玉のピアスという奇抜な格好をしているから、だけではない。

膝下までの届く長い髪は黒に染めているのか天辺に銀色がちらついている。力強く切長の目からは白色の眼光を覗かせ、口には閉じていても分かるくらい特徴的な八重歯を持っていた。

ジャックスとコーガはその不気味で異質な格好に、夢中になっていたが、話しかけることはなく、しばらくの間、空間に静寂が漂った。

「あ、あの...な、名前は...?」

沈黙を打ち破ったのは、知らない人が出てきて猫を被ったコーガ。

「フハッ!よくぞ聞いた!!」

待ってましたと言わんばかりに大きい声をあげ、周囲の注目を集める。

「我こそはゴットオブレジェンド...ラインハルト=ヘラクレス!!!!! 」

左手を右目に、左手は右手の外側にあててクロスになり、首の角度を少しあげて八重歯を見せて、なおも大きい声で続ける。

又の名(真名)を、メシア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

決まった...らしい。高揚感が溢れ出たドヤ顔がそれをものがたっている。

「「.........」」

再度ジャックスとコーガの間に沈黙が流れる。普通の自己紹介が来るかと思ったら、いきなりぶっ濃いのがきたのだから無理はないが。

「.........」

反応に困ったコーガがホシスタに助けをもらおうと見るが、ホシスタはウインクをするだけで何も言わない。

おそらく、ウインクは自己紹介をしろというホシスタなりの合図なのだろう。

「えっと...コーガ=イルミです...」

「......ジャックス...です」

ジャックスはいまだに状況がよく飲み込めておらず、歯切れの悪い自己紹介となった。

それでもエジェリーの苗字は隠した。いい兆候である。

「はい!ということで...ね? 三人にはパーティーを組んで一緒に行動してもらいます」

申請は済ませておいたからと、加えて笑顔で言う。

「じゃあ!これから仲良くね!ね?」

この中で笑顔なのはホシスタだけであった。

「うむ!よろしく頼むぞ!」

四人の間には(特にジャックスとコーガの二人)地獄みたいな空気感が漂っていた。


「チッ...やっぱ納得いかねぇなァ!!!」

地獄の空気感を打ち破ったのは、入り口付近でジャックスに絡んできたおっさんだった。

「お前らもそうだよなァ!!!」

大きい声で捲し立てながらズケズケと受付の列へと入ってくる。

「せっかくの勇者育成権利という名誉をクソエジェリーとクソ受付嬢なんかに取られてよォ!!!」

「ジャックスくんジャックスくん」

「...?」

コーガが嫌な予感を感じてジャックスを小声で呼ぶ。

「今から彼がなんと言おうと絶対に反抗...というか反応しないでください」

口調は素で、語尾はよそ行き(敬語)で話す。

「なァエジェリー」

「ホシスタとお呼びください」

ホシスタは眉をぴくりとも動かさず、前腰に両手を当てて笑顔で冷静に言い放つが、その内心、笑顔の裏側は、家族を侮辱された怒りに震えている。

「今なら許してやるから勇者をこっちのパーティーに渡せ!!!」

コーガやジャックス、メシアことは見えてないのかまっすぐホシスタを見つめながら怒気と脅迫を合わせた怒号を放つ。

「...申し訳ございません。私の一存では決められませんので...お手数ですが、ご要望でしたらギルドマスターに直接お願いします」

「はぁ!!?おま、お前!! 俺が誰なのか知らねぇとはなァ。流石お高く止まってるクソエジェリーだなァ」

「大変申し訳ございません」

はっきり言ってここでホシスタがこいつをボコすのは簡単だが、それはさらなるエジェリーの失墜に繋がる。

それをわかっているから、ホシスタは何も言い返せないし、おじさんはこうも強気でいられる。

「なぁ、おじさん。お前は我が欲しいんだろ? だったら我にだけちょっかいかけろよ」

それまで傍観していたメシアがおじさんに話しかける。

「おお。わかってくれたか、勇者様。じゃあなエジェリーもう口答えすんじゃねぇぞ」

「話を自分に都合よく解釈するのは老害の特徴だな... 勘違いすんなよ? それともそこにはもう一人我には見えない誰かさんがいるのか?」

勝手に自己完結をしてメシアを連れてこの場を立ち去ろうとしたおじさんにメシアが反論する。

「分かってないな...それとも分かろうとしないのか?。よッッッ!」

次の瞬間、メシアがおじさんの後頭部を蹴って気絶させる。

3秒にも満たない時間である。

「俺はお前みたいなタイプの人間が一番嫌いなんだよ」

完全に伸びたおじさんの上で、捨て台詞を吐き、八重歯を光らせる。

少しの沈黙を挟んで歓声が巻き起こる。

酒の肴に見ていた連中も、酒をテーブルに置いて立って声をあげている。

「強い...!」


こうして、チームジャックスの方針が決まった。



〜蟲の巣〜

こっちはシエロの魔法習得に励んでいた。

「魔法の概念は?」

「理解済み」

「魔法の使用方法は?」

「履修済み」

「体内の魔力を感知するのは?」

「習得済み」

「実際の魔法の使用は?」

「私は余裕だったが、シエロの方だと厳しいかもな」

「なるほどな... 要は、“知識はもう頭に入っているが、実際に扱うことはできていない”ってことだな」

「あぁ。要領が悪くてごめんな」

シエロが小さく返事をする。

「いや、でも...そうだな... だが、基礎ができているということは一番手っ取り早い。寿!」

「はい。まさか私もシエロ君がここまでできているとは思っていませんでしたよ」

そう微笑んで、シエロの頭を撫でようとするとするが、その手はシエロが振り払う。


「ふふっじゃあ軽く魔法を使ってもらおうかな。えいっ!」

勢いよく、寿がシエロの腕を木製のナイフで切る。

正確に血管を捉えた一線は綺麗に直線を刻んでおり、噴水のように血が噴き出る。

「!!???」

驚くシエロと笑顔を崩さない寿。

「!!ーーーキュアル!!」

シエロが自身の傷に手を強く当て、そう唱えると、それまで出ていた血が収まり、腕の切り口が結合されていく。

「はぁっっ はぁっ...」

咄嗟の判断。臨機応変な対応が何よりも苦手なイシスにしてはなかなかいい動きであった。

「おおっ」「.........」

シルクが思わず驚きの声を漏らす。寿はそれで当然と言った雰囲気で、眉ひとつ動かさない。

「いきなり切ってくるな...!」

 こっちは魔法久しぶりなんだよ...!

「...想像...というか期待以上ですね。シルク様」

「あぁ...」

 魔法を知っていることと使用することは全く違ってくる。

 だから、最難関はそこだったが...

 記憶は同期されてんだっけ...?

寿の感想をよそに、シルクがそう思う。 

「ところで、シエロ君。今の神聖魔法じゃなかったよね?どれだけ詠唱を短縮しても『神聖魔法』という単語は短縮できないよね?」

「あぁ確かにな!ギフトは使えないだろうし」

「神聖魔法は使えなくなったし、ギフトはそもそも使えない。だから、私達が常用している『創生魔法』を使った」


シエロは傷の確認をしながら二人に説明をする。

「普通の魔法は魔力を過程として『魔法』という物体を構築する」

「はい」「俺たちがやっている方法ってことだな?」

「だが、それはステータスの攻撃力を少なからず持っている奴のみが扱える」

シエロがイマイチ話についていけていない寿のために自身のステータスを開く。

人にステータスを簡単に見せるなと言っていたシルクは、見せた相手が寿だからか何も言わない。

(シエロ)は攻撃力がゼロだから、この方法は使えない。攻撃だろうが、回復だろうが、補助だろうが等しく世界の禁忌に触れる。結果として攻撃に繋がるような...罠魔法とかもな」

「禁忌...」

「対して、創生魔法は、『魔法(結果)』を出してそこに魔力魔力(対価)を乗せる。要は世界が違反を認識する前に攻撃を行うってわけだ。法の抜け道って奴だな」

「いやいやそれ...!」

「?」

驚く寿とシルクだが、当のシルクはさも当然かのような顔をしている。当たり前だ。彼にとってそれは日常だった。

「神の法創ったやつも結局改変しなかったよ」



『創生魔法』 別名『即席魔法』

通常ケイルで使われる魔法は『1(魔力)×(イメージ)◼️(魔法)

だが、神聖魔法は『◼️(魔力)×(イメージ)(魔法)

で執行される。

イメージは、『具体的な魔法規模構想』をミリ単位で、刹那0.000000000001秒間で思考しなければならない。

消費魔力量は施行魔法規模に比例する。

使用時には使用者がその魔法を放つ上で一番イメージに近いフレーズを言わなければならない。

それが造語だろうと既存語だろうと関係はないが、一度使用したフレーズは二度と使えなくなる。

そして一度使用した魔法は世界によって抹消され、どれだけ近い魔法だろうと粒子レベルで異なる。


小難しい話をしたが、要は、『攻撃力がなくても魔法が使えて敵に攻撃が入る』ということである。



「待て待て!本っ当に待て!昨日なんかよりも情報量が多すぎる!」

シルクが頭を抱えてしゃがみ込む。寿は理解を諦めたように崩さない笑顔で直立している。

「要は、過程(魔力)が先か結果(魔法)が先かってことですよね?」

「あぁ...そうだが...」

寿はシエロが想像している何倍も頭が良かった。あるいは情報を簡単にするのに長けているのかもしれない。

なんにせよ、理解を諦めていたわけではなかったようだ。

「シルク様からもう言われているかと思いますが、私からも言っておきます。魔法界に革命が起きてしまうので本当に人に原理を教えないでください」

「分かってるさ。二人は信頼できるから言ったんだ」

イシスもバカではない。そんなことをしてしまっては、ただでさえエジェリーであることで普通の人よりも目立っているというのに、より一層目立ってしまう。つまりモイライにバレる可能性が跳ね上がる。

今はシエロという化けの皮をかぶっているから、モイライは普通にしていれば絶対気づかず、まだ安心ではあるのだが。

「......」

信頼。その言葉を受けてシルクは露骨に照れる。自分だけが好きを向けているとばかり思っていたから、安堵も含まれているのだろう。

どうやら、この短期間で二人に対するイシスの好感度はかなり上がったようだ。

と、シルクは思っているのだろうが実際のイシスの思考は、

 

 この二人は魔法の探究なんて興味ないだろうから行っても大丈夫だろう。


こうである。イシスに信頼という二文字は存在せず、ただ話を円滑に進めたいがための情報の明け渡しでしかないということである。

信頼という言葉を使ったのも、二人を納得させるための建前だ。


「いや普通に教えることなくなっちまったんだけど」

シエロが『創生魔法』を使えることは、シルクにとって嬉しすぎる誤算だったようだ。

「魔法を使う上で必要なことは全部習得しているし、応用も十分。一番覚えんの難しい回復魔法も独自の攻略で習得済み...これで何を教えるってんだよ」

「...はぁ、シルク。当初の目的を忘れたか?」

「?」

「私に魔法を習得させるに至った経緯だよ」

「...?あぁ。疲労回復魔法か?これもう創生魔法?で習得しているみたいなもんだろ」

「創生魔法は確かに便利だが、使いわましが出来ない。しかも、効果時間は一瞬だ。一瞬にこそ意味がある戦闘での活用こそが真骨頂と言える」

「......」

事情を知らされていない寿はずっと黙っている。

「だから、はっきり言って何度も同じ効果をもたらさないといけない回復系統は相性が悪い。疲労...精神に作用させるなら、尚更な」

ミリ単位で明確な情景を思い浮かべると言うのは相当な精神力を消耗する。しかも、それを高速で行わなければならない。

疲労回復とは相性が悪すぎる。最悪、その創生魔法使用で溜まった疲労をただ無くすだけになるかもしれない。

「なるほど...じゃあ俺らが教えるのは...」

「そうだ。魔法の連続使用に必要なステータス『攻撃力』の上げ方だ」


「事情は大体把握しました」

「あぁ、寿...悪いなこっちだけで盛り上がっちまって...」

「ふふ。構いませんよ。シルク様が(わたくし)に隠し事をして一人で盛り上がるのは今に始まった話ではありませんから」

「寿......!」

「要は、通常魔法が使用できるようなステータスを上げればいいんですよね?」

「そうだが...」

寿がシエロの元に歩いてくる。

「それなら、攻撃力なんかよりも素晴らしいものがあります」

「ないだろ」

「あ・り・ま・す。恐らく、シエロ君は何らかの関係で攻撃力を上げにくい体質...」

シエロが驚きでギクっとなる。

「で、あれば、そこに時間を浪費するよりも、別のところに力をかければいい」

心なしか寿の目が輝いているように見える。

(わたくし)は常日頃考えていました。世の中には攻撃力が少なくとも魔法を扱うのに長けているものが大勢いる。(わたくし)の部族『妖』の特徴でもあります」

つまり寿が言いたいこととは、魔法使用が得意なことと、ステータスの攻撃力が高いことはイコールではないということである。

「であれば、魔法には魔法の攻撃力とは別の力があるのではないかと...!」

 ...一理あるな。そこに関しては私も思うところがあった。回復は、攻撃では決してない。それなのに魔法に関する 情報が別で明記されていないのには違和感があった。

 ...これは、何かあるな...

シエロの考察が捗っている。

「あるいは、なければ創ればいい。そう行きたちました。ですのでーー!」

寿がシエロの手をとる。その目は明らかに輝いている。

寿がここまで魔法に熱心なのはシエロにとって想定外だった。

「創りましょう、シエロ君。あなたのステータスの新しい可能性を!」

「いやいや、盛り上がっているところ悪いんだけど、そんなこと出来るわけ......!あぁ...そうか...!」


「お気づきですか? シルク様。思い当たる節がありますよね?。巧妙にステータスに細工し、何年も何年もボロを出さずに隠し通した人物を」


「あぁ。知ってる。俺がもっとも敬意を表して止まない人だ」

「何となく、私にも分かった」

「昨日の今日ですが、参りましょう!」

「アレス様の待つところ、エジェリー家へ!」

こうして、チームシエロの目標が決まった。




ランク→プレートの素材

S級→王龍

A級→ミスリル

B級→プラチナ

C級→金

D級→銀

E級→銅

F級→木

H級→無し

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