第47話 無双するセレン
ダンジョンへ入って周りに人が居ない事を確認すると、ブラッドが私に話しかけてきたの。
「ハンターの活動中は、セレンと呼びますのでお許しください」
「うん、よろしくね」
ブラッドはセレンと呼ぶ事を伝えた後に、ダンジョンについて簡単な説明をしてくれて。
「ダンジョン内で魔物を倒すと、魔石とアイテムをドロップして消滅します。魔石は低確率で魔核をドロップする事があるのと、アイテムも低確率でレアアイテムをドロップする事がありますが、これは滅多にはない事なので期待はしないでください」
「う~ん、私はかなり運気が高いからレアな物は結構出るかもしれないよ?」
そんな話をしてると、私は魔物の気配を感じたので、ブラッドへその事を報告する。
「ブラッド、前方から4体の魔物が近付いてくるよ」
ブラッドは、私の気配感知の精度に驚いた表情で返事をする。
「セレンの気配感知の範囲は広いんだね、俺の感知ではまだ反応が無いな、おっ、ゴブリン4体か、本当に凄い精度だね……」
ブラッド感心してると、ミスティーク先生が私に指示を出したの。
「嬢ちゃん、1人で全部倒すんだよぉ」
「はい、任せてね。風刃!」
私の放った風の剣が高速回転しながらゴブリン達を襲う。盾を持たないゴブリンは防ぐ事ができずに真っ二つ両断され、ドロップを残して消滅した。
「セレン……実際に目の当たりにすると、もの凄い魔法威力なんだね。魔力に余裕があるなら『ドンドン』倒してもらうのが良さそうだね」
「任せてください!」
ブラッドは私の魔法を初めて見たので、かなり驚いた顔をしながら話し掛けてきた。隣のミスティーク先生は当然と言う顔でブラッドに声を掛ける。
「嬢ちゃんの魔法は威力が凄いからねぇ、魔力の消費が激しいと思うかも知れないけどねぇ、今のは初級魔法を撃っただけだから魔力は殆ど減ってないんだよねぇ」
「あれが初級魔法?上級魔法かと思ったのに……」
「まぁ、嬢ちゃんに任せればいいよぉ」
その後も、現れた魔物を片っ端から魔法で討伐していって、まさに無双状態でダンジョンを突き進んで行ったの。ダンジョン攻略は『あっ』と言う間に5階層までたどり着いていたんだよね。




