第12話 冒険者として
私達はカヴィア町へ戻ってから、冒険者ギルドの建物へ向かった。受付カウンターで常時クエストの完了手続きをしてもらう。
「こんにちは、解毒薬に必要な素材採集の、常時クエストをしてきました。クエスト完了の手続きをお願いします」
「はい、ギルドカードとこちらに素材を提出してもらえますか」
「はい」
私達はギルドカードと、採集してきた解毒薬の素材10セット分を提出すると、受付のお姉さんは『テキパキ』と薬草を確認していく。
「凄く丁寧な仕事ですね。これを薬師さんに渡したらきっと喜ぶと思うわ。もしかしたら【光の絆】へ指名クエストが来るかも知れないわよ」
「そうなるとありがたいです」
丁寧な仕事を続けて指名クエストの依頼をもらえれば、クエスト報酬も増える筈なので、これからも丁寧な仕事を心掛けたいと思ったの。
私には戦闘能力が無いので、採集クエストを一生懸命頑張らないとね!
クエスト完了の手続きも終わって、今回のクエスト報酬の銀貨30枚を2人で折半してから、冒険者ギルドを後にして家へと戻ったの。今回は絡まれる事も無く家に帰れたので『ほっ』と安心しちゃった。
毎回のように絡まれるとか流石に無いのにね(笑)
「ママ、ただいま〜♪」
私は戻るなりママに抱き着いて頬にキスをする。
「お帰りなさい♪大丈夫だったの?」
「うん、大丈夫だったよ。それにね、私が魔法で単角兎を狩ったんだよ♪」
私は鞄から単角兎を取り出して見せると、ママは目を丸くして驚いたの。
「この兎をセレンが狩ったの?」
「ガイさんに指示してもらいながら狩ったんだよ」
「凄いわ!流石は私のセレンね♪」
ママに褒められて私は満面の笑顔になった。
その後は、ママが兎料理を作ってくれたので、美味しい料理を食べながら楽しい時間を過ごして、ガイさんに言われた無詠唱で魔法を使える事を話す事にしたの。
「あのね、ママに報告する事があるの。私が魔法を発動させた時なんだけど、無詠唱だったらしいの。無詠唱で魔法を使えるのは珍しいから、周りの人には知られない方がいいよって言われたの」
無詠唱の事をママに報告すると、ママの表情が少し曇ったの。
「無詠唱での魔法の使い手は、かなり少ないと聞くから人前では控えた方がいいわね。これからは言葉を発してから使うようにしないとね」
「うん、判った!」
「ママも、セレンが冒険者として活躍する姿を、この目で見てみたいわ♪」
そんなママの言葉を聞いて、これから冒険者として生きていく自信がついたの。
食事を済ませて、ママとお風呂に入ってから部屋に戻ると、寝る前の習慣になっている〘毎日ガチャ〙を回す。
『ガチャ……〘ブレスガード〙(紫)Rank B』
スポーツブラのような服が出たので、どんな物なのか鑑定してみる。
〘ブレスガード〙物理攻撃による衝撃を緩和する下着で、自動調整機能が付いている。
自動調整機能とかって事は一生物のブラを手に入れたのね♪現状は『ペッタンコ』だからブラは不要だけど、衝撃緩和があるので装備するの。
今回は良い物が出たので気分良く寝れる〜♪




