第11話 初狩猟
今日は常時依頼の採集のクエストをするの、常時依頼はわざわざ冒険者ギルドへ出向かなくても、クエストを受ける事が出来るみたいなの。絡まれた事で休んでいたので、ガイさんがその事を気遣ってくれたんだと思う。
私達は冒険者ギルドへ寄らずに、そのまま西門から町を出て、草原を目指して西へと向かって行ったの。30分程歩くと採集ポイントに到着したので、前回の採集した時と同じ様に、お互いの位置を確認できる範囲内で薬草の採集を始めたの。
採集を始めてから30分程過ぎた頃に、ガイさんが私の方へ近付いてきて、小声で語り掛けてきたの。
「セレンちゃん、少し離れた場所に単角兎がいるのが見えるかな?」
ガイさんが少し離れた場所を指差すと、単角兎が1匹で草を食べているのが確認できたの。
「はい、草を食べてますね」
「そうだよ。少し単角兎に近付いてみて、セレンちゃんの魔法で仕留めてみるかい?」
「はい、仕留めれるかは判らないけど、やってみたいけど良いんですか?」
「うん、何事も経験だからやってごらんよ」
私が単角兎へ魔法を撃って狩る事になったので、ガイさんの指示通りに少しずつ単角兎との距離を詰めていって、魔法の届きそうな距離になった所で、狙いを定めて魔法を発動させる。
『当たってね〚水刃〛!』
私は水の刃をイメージすると、掌くらいの大きさをした水の刃が単角兎の首を刎ねたの。
「セレンちゃん……まさか無詠唱で魔法を使う事が出来るの?しかも正確に単角兎の首を刎ねるなんて、凄いじゃないか!」
ガイさんが私の魔法を見て褒めてくれたので、私は上機嫌でクリチェート町で冒険者養成講座へ通っていた事を話したの。
「えへへ、前に住んでた町で冒険者養成講座に通っていたんです。そこで特別講師のマリー先生といっぱい練習をした成果なんですよ♪あと、無詠唱っていうのは何の事か判らないです(汗)」
「えっと、魔法を発動させるには普通は詠唱するんだよ。詠唱は発動させる魔法を言葉で言い表す事なんだけど、セレンちゃんは言葉で言い表してなかったよね?それを無詠唱って言うんだよ」
「そうなんですね。私は頭の中で魔法をイメージをすれば発動出来るものだと思ってました」
「無詠唱で魔法を使える人はごく僅かだから、あまり人前で披露しないで適当に言い表した方がいいね。お母さんは無詠唱の事を知ってるの?」
「ママは知らないから、家に帰ったら報告するね」
「それが良いと思う、じゃあ採取を再開しようか」
「はい♪」
ガイさんが単角兎を捌いて回収した後は、薬草の採集をお昼過ぎまで続けて、素材を10セットほど集めたところでカヴィア町へと戻ってから、冒険者ギルドに向かってクエスト完了の手続きをしてもらったの。
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