第3話 ご近所さんへの挨拶
サルダンさんの紹介で大家さんの家へ向かう事になったの。
というか大家さんの住まいへは直ぐに到着した。何故って、大家さんの住まいは、長屋のある場所の向かいの通りにある一軒家だったからね(笑)
サルダンさんは一軒家のドアを開けて大家さんが在宅か確かめる。
「ラポルタさんは居るかい？」
「おぅ、サルダンじゃないか。どうした？」
「ラポルタさんの長屋に住みたいっていう、親子を連れて来たんだよ会ってくれないか？」
「おぉ、そうか、確か部屋は空いてたな。さぁ、狭い所だが入ってくれ」
「「お邪魔します」」
2人の会話を聞いてると、大家さんはとてもフランクな印象がしたの。私は堅苦しいタイプは苦手だから良かった♪
私達は客間に案内されてから、大家さんに挨拶をしたの。
「初めまして、カルメと娘のセレンです。」
「セレンでしゅ……(噛んだ)」
「長屋の大家をしてるラポルタです。確かに真ん中の部屋は空いてるので、カルメさんの都合でいつ入居してもらっても構わないよ」
「あの、今日からでも宜しいですか？」
「ちょっと埃っぽいかも知れないが、それで良いなら入ってもらっても問題はないよ」
「私達で掃除をしますので構いません。今日から住みたいのでよろしくお願いします」
「判ったよ。あと、家賃は前払いなんだが支払いは大丈夫かな？」
「はい、大丈夫です」
「確かに銀貨10枚を受け取ったよ。これからは月初めに家賃を払ってくれれば良いからね」
「「ありがとうございます」」
難しい賃貸契約書なんて物は、長屋の貸し借りには不要みたいで家賃の支払いが契約の証みたい。
大家さんへ家賃を払い終えたので、私達は長屋へと戻っていくと、サルダンさんが長屋に住むご近所さんに紹介してくれるというので、ママと一緒にご近所さん達に挨拶をして回った。
クリチェート町と似た雰囲気で、ご近所さんは感じの良い人ばかりだったので、カヴィア町での新しい生活な不安は感じなかった。
ご近所さんへの挨拶を済ませた後、私達は家に入って掃除を始めようとすると、ご近所のオバさん達がやって来て家の掃除を手伝ってくれた。
お手伝いのおかげで、取り敢えずは寝る場所を確保する事が出来る状態になったの。
親切なご近所さんで本当に助かっちゃった♪
掃除が終わる頃には日も暮れていて、ママが急いで夕食の準備をしようとすると、お隣さんが夕食に招待してくれたの。私達はお隣さんの言葉に甘えて夕食をご馳走になる事にした。
お隣さんは3人家族で、ご主人の【ロイ】さんは30歳でブラウンの髪に大きな体格をしていて、仕事は冒険者をしてるらしいの。奥さんの【ユーリ】さんは31歳で黒髪のポニーテールで華奢な感じの綺麗な主婦で、息子の【ガイ】さんは12歳でユーリさんに似た黒髪の少年で、ロイさんの下で冒険者の修行をしてるらしい。
冒険者を仕事にしてると聞いた私は、ロイさんに冒険者について教えて欲しいとお願いをする事にしたの。
「あのロイさん、私も冒険者なんです。冒険者登録をしたばかりの新人で、判らない事ばかりなので色々と教えてもらえませんか？」
「へぇ、お嬢ちゃんは冒険者なのか魔物の討伐はまだ早そうだから、うちのガイと採集クエストをするのが良さそうだね。討伐する力が身に付いたら、俺が討伐へ連れて行ってやるよ」
「はい！ありがとうございます」
ロイさん一家が夕食へ誘ってくれたお陰で、私はガイさんと一緒に採集クエストをするというサプライズもあって、楽しい時間を過ごす事が出来たの♪
