第28話 冒険者養成講座修了
マリー先生との特別授業も全て終わって、半年間に及ぶ冒険者養成講座は無事に修了したの。
その後に行われた認定試験にも無事に合格して、認定証をマリー先生から受け取ると、笑顔で言葉を掛けられた。
「セレンさん、この半年の間、私との厳しい特別授業をよく耐えましたね。これから始まる冒険者としての活躍を心から期待しています。これから他の生徒達と一緒に、冒険者ギルドへ向かって冒険者登録をしに行きましょう」
「マリー先生、今までありがとうございました。これからはマリー先生の教え子として、恥ずかしくない立派な冒険者になってみせますね」
「セレンさんなら必ず素晴らしい冒険者になれると、私が保証しますよ」
私は学舎で行われた認定試験の合格者達と一緒に、冒険者ギルドへ向かう。学舎から冒険者ギルドへの道のりで私は色々と思ったの。これから冒険者登録を済ませたら、近いうちこの町から出て行くんだと、お世話になったマリー先生ともお別れするんだと……そう思うと急に寂しくなってきたの。
私の異変に気付いた先生が慌てて近寄って来る。
「セレンさん！どうしたのですか！」
「あっ、いえ……この半年間を事を思い出しちゃって……終わりかと思うと少し寂しいなってね……」
私は感極まって涙が溢れ出ていたの……
マリー先生は優しく抱きしめてくれた。
「セレンさんが冒険者になったからといって、あなたと私の関係が終わってしまう訳ではありませんよ。私は冒険者ギルドの受付業務に戻るのですからね。これからも冒険者ギルドでは顔を合わせる事があるんですよ」
「はい、そうですよね」
マリー先生は私の冒険者養成講座が終われば、この町から出て行く事をおそらく知らない。ママは誰にも言わずにこの町を出て行くと言ったから、お世話になった人達に何も言わずに去る事を、心から申し訳なく思いながら、私は先生に抱きついて思い切り泣いたの……
暫く泣いて私は落ち着いたけど、他の生徒達からは完全に遅れてしまった。先生と私は遅れて冒険者ギルドで冒険者登録をして、冒険者の証であるギルドカードを受け取った。
私は手に持ったギルドカードを見て、冒険者養成講座を修了したんだと実感が湧いたの。
