最終話 あなたの夢を…
セレスティアが女神となったあの日から6年の月日が経過したの。
《《私達》》は今、セレスティアが用意してくれた【セレン島】で忙しく暮らしてるの。
セレン島には《《私達》》と元従魔だった魔人達以外は居ない。島に上陸しようとする者は全て魔人達が阻止してるから。セレスティアとの約束通り《《私達》》を守る為にね。
なぜ《《私達》》なのか?
それは、セレスティアと別れの時に耳元で語り掛けて教えてくれたの。『セイレーン、あなたに私との絆を授けるから大事にしてね』と、その後の口づけで私の中に新たな命を授けてくれたのが、私と手を繋いで散歩をしてる愛娘セレンスティアね。
プラチナブロンドの髪に紫の瞳をしたセレスティアにそっくりな容姿は、私だけではなく魔人達の宝物なの。
そんなセレンスティアが5歳を迎えたので、〚鑑定眼〛を持つ元アラクネのサンディが鑑定してくれたが、突然サンディは両膝ついて泣き出した……何か悪い結果だったのかと、その場に居た者達が不安に襲われるとサンディが口を開いた。
「あぁ……セレンスティア様の授かったスキルは〘毎日ガチャ〙です……我等の主であるセレスティア様と同じです……」
サンディから鑑定結果を聞いた私はセレンスティアを強く抱きしめ、天を仰いでセレスティアの事を想い涙したの……
するとセレンスティアが不安そう顔をしながら話し掛けてきたの。
「ねぇ、ママ?私のスキルは悪いスキルだったの?だから泣いてるの?ごめんなさい……」
「違うのよ、セレンスティアが女神様から授かったスキルは、この世で最も素晴らしいスキルなのよ。女神セレスティア様に負けない素晴らしい者になれるのよ」
小さな頃より私や魔人達から聞かされる女神セレスティア様のような者になれると聞くと、眩い程の笑顔になり嬉しそうに答える。
「セレスティア様みたいな素敵な人になる♪」
『そして、全ての人達が仲良く暮らせる場所を作るんだよね♪』
セレンスティアの言葉の後に、セレスティアが現れて私達へ言葉を贈ってくれた。
その場に居た全員がセレスティアの言葉に頷いて、セレン島をセレスティアの夢である理想郷にする事を誓ったの。
私と娘であなたの夢を……完
今まで読んで頂きありがとうございました。小桃




