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第23話 ママとの別れ……

 ユーリからママを連れ去られたと知って動揺する私に、セイレーンが話し掛ける。


「セレスティア、先ずは落ち着くのよ。お母様を攫う理由は1つしかない。貴女を誘き寄せて3対1の状況を作って優位な状況で戦う為よ。」

「どんな状況でもママを必ず救ってみせるよ。直ぐに王都へ向う!」

「駄目!もう少し落ち着いて冷静に考えるの。今のままだとお母様もセレスティアも共倒れになるわ」


 直ぐに向かおうとする私をセイレーンは必死に止めて、落ち着かせようとするけど私は全く落ち着く事が出来なかったの。 

 ママが無事なのかも判らないので、私はママへ念話を試みると繋がったの!


「ママ!」

「セレスティア!ママは魔将エスティグマに捉えられたの……あなたを誘き寄せて有利に戦う為にね。いい?ママの言う事をよく聞いてね。ママを救う事よりより魔将を倒す事を優先して欲しいの。」

「そんな事出来ないよ!ママより大事なものなんて無いもん……」


 魔将を倒す事を優先するように言ったけど、私はそれを拒否した。

 するとママは、自分には復讐する力が無かった事から、私の力に期待をして私怨に巻き込んだ事を詫びたの。私にとってはそんな事はどうでも良かった……私が異世界転生してからずっと愛情を注いでくれたママ、私にはママが全てだから救う為に命を落としても悔いはない。


「罠だとしても、私はママを救いに行くよ。魔将を倒してママも救うから待っててね」


 そう言って念話を切り王都へ向かおうすると、セイレーンが私の前に立って話し掛けた。


「行くのなら連れて行って欲しいの。戦いの邪魔になるのは判ってるけど、お母様を連れて逃げるくらいは出来るでしょ?もし、セレスティアが負けたら……この世界に生きる意味なんて私には無いわ。勝っても負けても私は貴方と共に行くわ」

「判ったよ。ママを助けたら連れて逃げてね。私は魔将を必ず倒すから」


 言葉を交わして抱き合った後、私達は従魔の背に乗って王都へ向かったの。


 王都上空から城が見えたので城内の広場へ降りると、騎士達が押し寄せるが従魔を召喚し騎士達の相手をさせて、私はセイレーンとロハを連れてママの気配がする部屋へと進むと、大きな扉が見えて扉の向こうにママがいる事が判った。扉へ進もうとすると騎士が現れ私達の周り囲んだ。


「セレスティア様、我が相手するので先へお進み下さい。ご武運を……」

「ロハ、頼んだよ」


 ロハが扉へ向かって走り出し、前にいる騎士を討ち倒して扉への道を作ってくれたので、私とセイレーンは扉を開けて中へと進んだ。

 部屋の中央にママと2人の魔将が待っていた。


「セレスティア……来てしまってのね……」

「必ず救ってみせるから待っててね!」


 ママの姿を見て私は安心し、改めて魔将を倒してママを救う事を心に誓った。


「へぇ、あなたが聖女なの普通ね(笑)」

「デマイズを倒したんだ。普通じゃないよ」

「この部屋は特殊な結界でね、私達を倒さ無いと解除出来ないから逃げ場は無いわよ」

「うん、ねぇファティマこの女はもう要らないね?」

「そうね、カラミティに任せるわ」

「じゃあ、処分だ」


『バシュ……』


「あっ……セレス……ティア……」


 カラミティと呼ばれた魔将がママの胸を貫いて、手に持ったママの心臓を握り潰した……


「あっ……あぁ……ぁああああーー!」


 私の目の前でママの命を奪われた……私は最愛のママを救う事が出来なかったの……

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