第12話 禁忌の眼
戦いが終わったので、セイレーンの待つ部屋へ転移で戻ったの。私の姿を確認すると『パアッ』と明るくなり抱き着いてきた。
「どこも怪我はしてないの?」
「大丈夫だよ?」
「本当に?もっとよく見せて!」
そう言って異常がないか身体中を調べ始めたの。私が戻った事を知った3人がドアをノックする。
「セレスティア!帰ったんだよね?」
「うるさいわよ!私達は忙しいの、あなた達はその辺を歩いてれば良いのよ!」
「あっ、ごめん…」
3人を追い払ってからも装備を脱がされ、隅々まで確認されたけど異常は無かったの。全てを確認して安心したようで、私の顔を見て笑顔で話しかけてきたの。
「うん、どこにも異常は無いわね…って、セレスティア!両眼が発動状態のままよ?」
「えっ…魔力は注いでないから戻ってる筈なんだけど。何色になってる?」
「左眼は金色で、右眼は赤色になってるわ。」
「そっか…両眼の力を完全に解放出来たのね。どうなるのか私にも判らないから放置かな?」
「えっ?調べる事は出来ないの?」
「並列思考にでも調べさせるよ(笑)」
「そう?判ったら教えてね?」
「うん。」
そんな感じでその場は誤魔化したの。
恐らく世界の記憶を覗けば、何らかのヒントが眠ってると思うので、夕食の後に部屋で1人になったら覗く事にしたの。
日が傾く頃には支援活動も一段落した。
私達は街の拠点へと戻ってから、チェリモの拠点へと転移した。
「ママ、ただいま〜♪」
「セレスティア!その眼はどうしたの?」
「親王騎士団 団長が聖騎士を連れて来たから、聖眼と魔眼の両方を発動させたら、こんな感じで戻らないの(笑)」
「違和感はないの?」
「うん、大丈夫だから安心してね♪それよりお腹が減ったからご飯にしようよ!」
「そうね、何か感じたらママに教えるのよ?」
「うん!」
その後はみんなで夕食を取って明日の予定を話し合った後は、私とセイレーンは自分の部屋へ、3人は離れの部屋へ戻って行った。
私はベッドで横になって、両眼に魔力を目一杯に注いで聖眼と魔眼を同時に発動させた。発動状態をキープしながら世界の記憶を覗いてみると、女性の姿をしたホログラムが現れた。
「禁忌の眼を両眼に持つ者が現れたのですね。私は【マルティーナ】この世界を創造した女神と言われる存在です。」
ホログラムとして現れたのはこの世界【プリュトン】を創造した女神だったの。




