第21話 会談
えっ……マリー先生が跪いてるんだけど……
私が不安な顔してる事に気付いたママは、私に歩み寄って優しく声を掛けてくれた。
「先生は立ち眩みをしたみたいね、セレン悪いんだけどお水を汲んで持って来てくれるかしら？」
「あっ、うん、判った…マリー先生大丈夫？」
「あぁ……大丈夫」
私はマリー先生に声を掛けた後、急いで台所へ水を汲みに向かったの。
「アンナマリー、突然教師を名乗って家へ訪問するのもどうかと思うわね。それに、騎士の様な振る舞いはセレスティアの前では控えなさい。あの娘は何も知らないのよ」
「カルメンお嬢様……申し訳ございません。お嬢様を前にすると自然と跪いてしまいました……」
カルメンとアンナマリーが話してると、1人の女性がアンナマリーの背後に立っていた。
「おやおや、護衛騎士殿は相変わらず失態ばかりするね。カルメンお嬢様、取り敢えずセレスティア様は私が外へお連れ致します。アンナマリー、不審な動きをすればその瞬間お前の首を刎ねるからね」
「セレーネ、セレスティアの事を頼みますね」
「かしこまりました」
私がお水を汲んで部屋に戻ると、近所のオバさんが私に用事があるから家にやって来てたの。
「セレンちゃん、うちの水瓶にお水を入れてくれないかい？」
「あ、うん、今ね、先生が来てるの……」
マリー先生が来てるので断ろうとすると、ママが水の入ったコップを私から受け取ったの。
「セレン、先生はまだ具合が悪いみたいだから、お水を飲んで少し休んで貰うわね、その間にセレーネさんの水瓶にお水を入れてあげてね」
「うん、判った♪」
私はママに頼まれたので素直に返事をしてから、オバさんと一緒に家を出て水瓶にお水を入れに行ったの。
「何故、護衛騎士団のお前がここに居る。シルヴァニア聖教国を裏切った護衛騎士団の者が……」
セレスティアが部屋を出た瞬間、男が現れてアンナマリーの首に剣を向けた。
「私は……レオーネ王国の企み事を知らなかった」
「ほぅ、知らないで済むと思うのか？それでお前は何故ここへ来たのだ？」
「私はカルメンお嬢様の剣だ、あの事件の直後に私は護衛騎士団を辞職し、お嬢様を護るべくお探ししていたのだ」
「先ず、お前如きがお嬢様を護るだと？ふざけた事言ってくれるな。お前がお嬢様に接触しようとする事で【闇】に気付かれ、お嬢様とセレスティア様に危険が及ぶ可能性を考えなかったのか？」
男の言葉にアンナマリーは『はっ』とした表情になり、カルメンに向かって深く頭を下げる。
「それは……浅はかな行動でした」
「アンナマリー、お前はこの場を去りなさい。そして命令します。冒険者養成講座でセレスティアに冒険者としての知識を授ける事。私達はセレスティアの冒険者養成講座が終わればこの街を離れます」
「お嬢様は何処へ行かれるのですか？」
「お前は馬鹿か？教えればリスクが増すだろう」
「決して私は裏切り行為など……」
「アンナマリー、私はセレスティアの身の安全を最優先にしています。リスクを避けたいのでお前に教える訳にはいきません理解しなさい」
「かしこまりました。セレスティア様の教育の件は承りました」
こうして、カルメンとアンナマリーの会談は終了した。セレンが真実を知る日が近付いて来た……
