第83話 魔眼覚醒
ジャーメルだったモノはこちらを見て語り掛けてきたの。
「天子よ、我と共に来るならば仲間の命は助けるぞ。」
「娘は渡さない!」
「カルメンか、貴様が逃げなければ天子は我が物になっていたのに…死ね!」
モノは身体の一部を棘に変えて放出させママを襲うが、ミスティーク先生がママを庇ったの…
棘がミスティーク先生に突き刺さった…
「あっ…あぁ…はあっ…カルメン、無事かい?」
「ミスティーク!なぜ私を庇って…」
「あたいはねぇ…守れなかったの…でも…今度は守れたよぉ…マルガリータ様…あなた…もとへ…」
「ミスティーク!」
「ミスティーク先生!」
「聖天大魔導師ミスティークが逝ったか!」
ミスティーク先生が『逝った』と聞こえた。心の底から怒りが湧き出すのを感じると同時に、私の右眼が激しく疼いたの。
そしてその怒りの衝動を抑えきれない…
「お前…ミスティーク先生を!」
「我の元へ来るなら他の者は助けてやるぞ。」
「お前が死ねぇ!〚煉獄〛!」
私が魔法を唱えると、モノは黒炎に包まれたの。
「なっなんだ、この炎は魔族化した体が燃えていく…天子よ何をした!」
「五月蝿い…お前は殺す!」
「これは仮の姿だ。我を殺す事は出来ぬぞ!」
「セレスティア.Z.シルヴァニアが命ずる。傲慢の力よ【デイビッド.レオーネ】へ命のカウントダウンを刻め!」
「ぐあっ、我の腕に刻印だと…」
「ふふっ…腕の刻印の数字が0になったら死ぬからね(笑)術者を殺しても消えないからね♪言ったでしょ?殺すって(爆笑)」
「天子…お前は何者だ?」
「さぁね?死ぬまでに判るといいね。迫ってくる死の恐怖を楽しんでね(笑)」
モノが黒炎で燃え尽きるとリンクが切れたようで、通信は途絶えたの。
戦いを終えてミスティーク先生の亡骸へと近寄って行く。その顔からは生気は感じない…本当に先生は死んでしまったの。
「ママ、先生が…」
「セレスティア、悲しむのは構わないわ。だけど怒りは抑えるの。出来れば右眼の魔眼を鎮めなさい。」
「右眼の魔眼?」
右眼に意識を向けると、熱が引いた感覚があったの。
「静まったわね。ミスティークの死で魔眼が覚醒したのね。力も行使したみたいだけど、身体に異常はないかしら?」
「対価は払ってると思うけど身体に異常はないみたい。」
ママとそんな話をしてると、ストラトスが話し掛けてきた。
「レン…君は天子だったのか?」
「うん、領地へ帰ってお父様に報告しても良いよ。あと双子の片割れも連れて行ってね。」
「僕は…報告するつもりなんかは!」
「ストラトス、結果的に貴方の行動でレンが天子だと王国に知れたのと…それに、ミスティーク先生が亡くなったのよ。この場に貴方は相応しくないのよ。」
「レン…君は他所へ行ってしまうのか?」
「ストラトス、今のお前には教える事は出来ないだろうが!」
「そうだよな…もう領地へ戻るよ。父上には報告をしないと誓うよ。また学園で…」
そう言ってストラトスは領地へ帰ったの。
「スレイン、貴方はパパへ報告するの?」
「僕はしないよ。王国からアクションがあれば知られると思うけどね。」
「カンテラは秘密を守れる?」
「勿論だ。」
「みんな、ありがとう♪」
その後はミスティーク先生の埋葬をして、スレイン様とカンテラは宿へ戻り、私達の家は使えないのでミスティーク先生の家を借りたの。
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