第63話 甘えっ娘
ママに抱きついてると、ママがセレン様に話し掛けたの。
「ふふっ…ごめんなさいね。セレスティアは昔からこんな感じだから(笑)取り敢えず家へ入りましょう。」
「こんなセレスティアさんを見たのは初めてです。とても仲の良い親子で羨ましいです。」
2人の会話を聞いて、私はママから離れて家の中へと入ったの。
「セレスティアからの手紙で、貴女が帝国第一皇女セイレーン様だと知ってます。こんな手狭な家でもてなす事も出来ないですが、ごゆっくり過ごして下さいね。」
「ありがとうございます。」
「ママ、セレン様は本当の姿を知ってるから偽装解除するね。」
「じゃあ、ママも解除するわね。」
私とママは偽装を解除して本来の姿になる。
今日からセレン様とこの家で過ごすんだけど、ちょっとした問題があったの。
「セイレーン様を家で迎えるのは良いのだけど、泊まって貰う部屋が無いのよね。」
「セレン様に私の部屋を使ってもらって、私はママの部屋で良いんじゃない?」
「う~ん…セイレーン様はそれで良いですか?」
「はい、それでお願いします。あと、様は不要です。帝国皇女ではなく、友としてレンと休暇を過ごしますから。」
「判ったわ。セイレーンよろしくね。」
その後、久し振りにママの手料理を食べてから、旅の道中は体を拭くだけだったので、久し振りのお風呂へ入ったの。少し狭かったけど3人でお湯に浸かって色々と話をした。
お風呂の後は少し早いけど寝る事にしたの。
「セレン様、ゆっくり休んでね。明日は市内を案内するからね♪」
「お母様、レン、お休みなさい。明日を楽しみにしてるわね♪」
私達は其々の部屋へ向かったの。
私はママの部屋に入ってママに抱きつく。
「相変わらずの甘えっ娘ね♪」
「ずっとママに逢いたかったんだもん…」
「ママだって逢いたかったわ♪少し見ないうちに大きくなったわね。」
「学園に戻るまでは思い切り甘えてもいい?」
「ふふ、良いわよ♪さぁ、早く寝て明日に備えないとね。」
「うん、ママお休みなさい。愛してる♪」
「お休みなさい、愛してるわよ♪」
お休みのキスをしてから眠りについたの。
➖➖➖セイレーン視点➖➖➖
レンとレンのお母様が偽装を解除したの。
なんて綺麗な方なの!子供っぽさが残るレンと違って完全な大人って感じ…
レンも学園を卒業する頃にはこんな感じになるのかしら?
だとしたら世の男達が放っておく訳がないわね…私がレンを守らないといけないわね。
明日にはパパからの依頼の事等も話して、私はレンの味方で帝国には何も話さないと説明をするの。そしてレンのお母様の信頼も得たいわね。




