第55話 コールｖｓスレイン
第４試合、私の相手は5年序列１位のスナイダー先輩で槍と盾を装備してるの。私は両手に扇を持って闘場に上がって試合が始まる。
魔法を詠唱すれば、それを阻止する為に攻撃を仕掛けると判断して、誘い込む為に詠唱するふりをする。
「……、…」
「君に魔法は使わせないよ！」
スナイダー先輩は予想通りに、槍で突き攻撃を仕掛けて来たので、私は右の扇に風属性を、左の扇に水属性を纏わせて扇いだ。風と水が重なり氷が発生して氷弾となって先輩を襲う。
魔法を阻止するつもりで攻撃を仕掛けたので、守りが疎かになっていたので氷弾をまともに受ける。
「ぐぁっ、魔法以外でも氷弾を撃てるのか…」
「先輩、隙だらけですよ。〚回転撃〛！」
私は体勢を崩してる先輩に、腹部へ回転しながらの打撃を撃ち込んだ。
「うっ…参った…降参だ…（ドサッ）」
降参の言葉と同時に倒れたの…どうやら気絶したみたいね。取り敢えず先輩へ歩み寄って〚治癒〛で治療すると、医療班が上がって来て先輩を担架に乗せて医務室へ連れて行ったの。
闘場から降りてスレイン様が近寄って来たので、笑顔でハイタッチをして言葉を交わす。
「予想以上の圧勝だったね♪」
「私のトラップに掛かってくれたので、予想以上に楽をさせて貰えました♪スレイン様、準決勝頑張ってね♪」
「《《セレン》》以外には負けたくないよ。」
「私はレンですよ？」
「セイレーンが居ない時は、《《セレン》》と呼ばせてくれ。」
「そこは、スレイン様に任せるね♪」
話が終わって席に着くと、準決勝第１試合の出場者が闘場へと上がっていき、スレイン様とコール先輩の戦いが始まる。
スレイン様が先に仕掛けて〚盾攻撃〛を撃つが、コール先輩は当たり前の様に盾で受け止めたの。コール先輩は直ぐに剣で斬り返そうとするも槍で応戦されて反撃出来ず。武術の勝負かと思った矢先、コール先輩の盾の中央部から剣が飛び出して、スレイン様の腹部に剣が突き刺さった…盾の中央部が開いて剣を通せる仕込みがあったの。
「ぐわぁあああ…」
「悪いな、俺は負ける事が許されないんだ。坊っちゃんよぉ〜負を認めてくれ。」
私は闘場へ上がってスレイン様に声を掛ける。
「スレイン様の負けで…良いですよね？」
「レ…ン…降参だ…」
「コール先輩…許しませんから…覚えてて」
「嬢ちゃんも覚悟しとけよ？」
コール先輩はその言葉を言って闘場を去って行ったの。私は試合を控えてるので、傷口を塞いで止血だけをする。
「スレイン様、直ぐに終わらせて治療するので、医務室でお待ち下さいね。」
「あ、あぁ…」
私は、やって来た医療班に止血した事を伝えて、傷の治療を任せたの。そして、スレイン様は医療班により担架に乗せられ医務室へと運ばれたの。そして私の準決勝は時間を掛けたくなかったので、試合開始と同時に攻めて終わらせたの。
腹部に重傷を負ったスレイン様を治療するために、急いで医務室へ向かったの。
