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異世界転生、授かったスキル〘毎日ガチャ〙って…  作者: 小桃
第三章 ティアード学園編
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第21話 決闘 武術最強の男

 【決闘】の申請書は事務局に受理されたので、その週の週末に行われる事になったの。

 まぁ、公示されたので学園で話題になってる訳です……誰もが1年生の私達が負けるものと思ってるの。特に周りの男性達なんかは、私がゼクス殿下の【慰者】になるの想像してるのか?嫌らしい目線を向けてくるのが嫌だった。

 全ては【決闘】が終わるまでの我慢だと思いながら、嫌な気持ちで毎日を過ごしたの。


 そして週末になり【決闘】の日がやっと来たの。


 【決闘】は週末の授業の後に行われる為に、闘技場は見物する生徒でいっぱいになっていた。


 そんな雰囲気の中で【決闘】の参加者が闘技場に現れると『わぁ〜』っと歓声が上がる。


「結構な人が見物するんだね。恥ずかしい……」

「まぁ、公示されたから仕方ないわね……」

「やる事をやるだけだよ!」


 3人で顔を見合わせ話をしてると。


「お互い揃った様だな!早く【決闘】を始めてくれよ。僕はその平民を連れて帰って色々とする事があるんだからな!」


 闘技場の最前列に陣取るゼクス殿下が、卑猥な顔をしながら大声をあげた。


 すると、事務局から来た決闘見届人が闘場にあがり、【決闘】の開始を宣言する。


「これより【決闘】を行う。内容は公示の通りだ。決闘見届人はレイバックが行う。互いの先鋒は前へ出ろ!」


 闘場へ私と4年Sクラスのゲイル先輩があがると『うぉ~っ』と歓声が上がったの。

 学園内で毎年行われている、学園武術トーナメントで3位となり、現学園では武術最強の男と呼ばれてるみたいで、殆どが彼への声援だったみたい。


「殿下がお前を味わった後に、俺達にも回してくれると言われたんだよ。もうその事を考えただけで……昨晩から興奮を抑えきれないんだよ!」


 キモイ顔で私を舐める様に見てくるので、早く終わらせようと思った。


「無駄口は慎めよ。では始め!」


 ゲイル先輩は大剣で私は槍を構えた。

 大柄な割になかなか素早い動きで、私との間合いを詰めて大剣を振り降ろすけど、かなり大振りだったので軽く躱す。


「今の避けるとは少しはやるようだな。だが次で決めてやるぜ!」


 避けた事を褒められた。

 ゲイル先輩は自信満々に次で決めると宣言すると、大剣を下段から振り上げようとするんだけど、動きは遅く感じたので、私は大剣を握る手に向けて石突で軽く突くと『ぐっ…』と言ってから大剣を落とした。私はそのまま槍先を目の前で寸止めをすると、先生が勝ち名乗りをあげた。


「勝者セレン!敗者は闘場を去れ、次に副将は闘場へあがれ!」


 一瞬で学園武術最強の男が負けたので、闘技場内は静まりかえっている……負けたゲイル先輩は必死な形相で言い訳をしていた。


「今のは無しだ!手元が滑ったんだ!」


 情けない言い訳をしてるよ……(ダサッ)


「おい、戯言を言うなよ?とっとと降りなければ俺が直々に場外へぶっ飛ばすぞ?」


 軽い殺気を含んだ先生に睨まれて、元学園武術最強の男と呼ばれていた人は下がっていった。

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