第17話 皇族との夕食
セレン様と中央食堂へ向かう途中、色々と話をしてた。
「レン、オレンジ色のワンピース可愛いわね♪どこで買ったの?」
「私ね、裁縫のスキルを持ってるから、服は基本的に自作なんだよ」
「えっ!お店の物かと思う程の出来じゃない!機会があったら一着お願いしたいわ!」
「うん、今度採寸して希望のデザインとか教えてくれたら作るね♪」
私の作ったワンピースが気に入ったみたいで、服を作る約束をしたの。その後は普通の食事だからマナーとか気にしなくても良いとか、もしかしたらスレイン様が私の事を気に入ってるかも?などの話題もあったの……まぁ、気に入られてるのは冗談だと思うけどね。(平民だし)
わいわいと話してると中央食堂が見えてきて、スレイン様がこちらへ向かって手を振ってるのが見えたから、急ぎ足でスレイン様の元へ向かったの。
「スレイン、待たせたかしら?」
「待ってないよ。個室を借りた所だからいいタイミングだったよ。レン、そのワンピースはとても似合ってるね、とても綺麗だよ」
「えっ……あ、ありがとうございます!」
「スレイン?私の前で口説くなんて馬鹿なの?」
いきなり『イケメンスマイル』での言葉に、私の顔が真っ赤になったのを見たセレン様が、スレイン様に向かって少し怒った口調で声を掛けた。
「いやぁ~、正直な意見を言っただけだよ……」
「なんか怪しいわね……まぁ良いわ、私を通さずにレンへ変な言葉は掛けないでよ?」
「うん……」
「歯切れが悪いわね。それより部屋はどこ?私達はお腹が空いてるのよ!」
「あっ、部屋はこっちだよ」
セレン様とのやり取りで、押されまくってるスレイン様の事が『可愛い』と思ったけど、それは口には出さなかった。
中央食堂はとても大きな食堂で、普通にテーブルが並んでるフードコートみたいな所と、予約が必要な個室があるの。今回はスレイン様が予約してくれたので個室で夕食を取るの。
個室へ入って席に着くと、ウェイトレスがメニューを持ってやって来た。
「日替わりディナーを3人分と飲み物は食事に合うワインを頼むよ」
「かしこまりました」
ウェイトレスはメニューの確認が終わると直ぐに退出したの。
「ワインって未成年なのに飲んでいいの?」
「レン?ワインは10歳から飲んでも大丈夫なのよ。その事は知らなかった?」
「うん、知らなかった」
「レンにはその辺りの常識も教えないといけないわね。明日から授業が終わったら私の部屋で一般常識の勉強会をするわよ!」
「うん、ありがとう」
私がワインの飲酒の事を不思議そうな顔で質問したので、セレン様は不思議そうな顔で応えられたの……そんな事は全然知らなかったよ。
でも、世間の一般的常識もティアード学園で学ぶ予定だったので助かるね。
その後は、ディナーを食べながら、スレイン様とセレン様の話を聞いて、とても楽しい時間を過ごせたけど、私はお酒に弱いみたいね。
ディナーが終わる頃には、完全に酔ってしまって眠くなってきてたの。それを見たセレン様が食事会をお開きにして、女子寮へと戻る事にしたので個室を出ると……
とても嫌な感じがする人が、私達を待ち受けていたの。




