屋根裏に潜む害獣がどう見てもクリーチャー
どたどたどたどた!
何かが天井裏を駆け抜ける音。
「うわぁ、またかよぉ」
「最悪だね」
先月籍を入れたばかりの妻と共に天井を見上げる。
動物が入り込んで屋根裏部屋に住み着いているのだ。
とりあえず捕まえようってことで、虫取り網を買ってきた。
天井に穴を開け、懐中電灯で照らす。
何かが潜んでいる気配がするが……あっ、いた。
ネズミだ。
「いたいた」
「捕まえられそう?」
「やってみるわー」
捕まえようとすると、虫取り網が鋭い何かで切断されてしまう。
どうやら強敵のようだ。
「コイツ、強いなー。
ちょっと本気出すわ」
「家こわさないでねー」
「おう」
近づくと危ないのでエアガンで対抗。
一発命中するとネズミは屋根裏部屋を逃げ回る。
「ぎぃいいいいいいいいいいいいい!」
苦しんでいるな。
あともう少しで駆除できそうだ。
「ねぇ、危なくない?」
「大丈夫だろ、たぶん……あっ!」
追い詰められたネズミがこちらへと突撃してきた。
俺は脚立から飛び降りて臨戦態勢を整える。
「鉈、包丁」
「はい」
三点着地しながら要求すると、すぐさま得物をよこす妻。
「ぎいいいいいいいいいいいい!」
屋根裏部屋から飛び降りて来たネズミは、それはもう醜悪な見た目だった。
目が六つ。しっぽが沢山。
背中にある触手のような物がウネウネと蠢いていた。
「くたばれ害獣!」
俺は鉈と包丁の二刀流でネズミを滅多打ちにする。
「援護するね!」
妻は殺虫剤に火をつけて火炎放射で援護射撃。
炎に包まれたネズミは苦しそうにもだえている。
「ぎいいいいいいいいいいい!」
ネズミはなんかすごい勢いで触手を動かして妻を攻撃。
部屋の物が次々と切断されていく中、俺は妻に対する攻撃を全て鉈ではじき返した。
「とどめだ!」
「ぎいいいいいいいいいいい!」
包丁を投げると眉間に命中。
ヒクヒクと全身を痙攣させてノックアウト。
俺たちの勝利だ。
「じゃぁ、外に捨ててくるわ」
「部屋片づけとくねー」
俺はネズミの身体をつかんで外へ。
山の中へ投げ捨てる。
死体を捨てると何かが集まって来る音が聞こえてきたが……まぁ、いいか。
部屋へ戻って妻を手伝う。
あらかた片付けが終わったら、二人でカップラーメンを食べた。
「ねぇ……あれって、ネズミだった?」
「強かったけど、ふつーのネズミじゃね?」
「そっかー」
「微妙にネズミっぽくなかったけどな」
「そだねー」
テレビを見ながらラーメンをすする。
やっぱり屋根裏が静かだと、快適だな。