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46.

 ヴァルトトイフェルがまだ結界を張っていたおかげで、麻弓の登場シーンは監視カメラに収まらずに済んだ。もし撮影されていたらと思うと、麻弓も寿命が縮む思いだった。


「ところで、向こうで何があったか、教えてくれないか?」


「ずいぶん待たせちゃって、ごめんなさい」


「あれから1時間半。もう22時を回ったところだね。君の家族は朝まで寝ているから大丈夫だけど」


「じゃあ、もっといても良かったんだ」


「おいおい、心配して待っている身にもなって欲しいな。ところで、どうだったんだい?」


「そうそう。この床下、凄いことになっているの」


 麻弓は、床下にある世界で見聞きしたことをヴァルトトイフェルへ子細に語り始めた。


「――ということで、やっと戻って来られたというわけ」


「なるほど。この下に逆向きの世界があって、この学校の生徒たちと同じ顔をした吸血族がいて、全員が魔法を使うとな」


「そうそう」


「うーん……」


「そういう話って、聞いたことある?」


「似たような話ならある。床の穴ではないけれど、扉を開けたら鏡に映っているかのようにそっくりな世界へ行ってしまったとか」


「へー」


「その時は、魔法で虚像を作っていたというオチだった。でも、今回のはかなり違う。そっくりな人物がいるのに、髪型が違うとか、そもそも種族が違う。建物も部分的に違う」


「そうなの。似せて作ろうとして失敗したみたいな――」


「待てよ? 似せて作る?」


「え?」


「いや、気のせいか……。ふむ」


 ヴァルトトイフェルは、急に黙り込んだ。

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