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33.

「トーゲって、山書いて(うえ)(した)書いて、あの峠って字よね? マユミって、(あさ)(ぬの)の麻に弓矢の弓?」


 雪肌の自分が漢字を確認し始めた。麻弓は(ため)()いがちに(うなず)いた。


「は、……はい」


「マジで!? 顔が一緒なことだけでもビックリなのに、名前の漢字まで全く同じなんて信じらんない! 私が二人いるってこと!?」


 ――同じ顔をした峠 麻弓が、違う世界に一人ずついる。


 この事実に、二人は互いの顔をまじまじと眺めた。どこか違いはないのだろうかと子細に観察するが、顔のパーツは全く同じ。小麦色の肌の方は若干にニキビがあるが、それを無視すれば、肌の色の違いを除いて鏡を見ているかのようだ。


 カナミは鼻を鳴らした。


「フッ。その信じられないことが起きているのよ。……あなた」


 あなたがどっちを指しているのかわからない二人の麻弓が、カナミの方を同時に見た。


「どこから来たの?」


 寝転がっている方の麻弓が、自分の顔を指差す。そんな彼女を見たカナミは、うんうんと頷いた。


 麻弓は「えーと」と言いながら上半身を起こして、この世界に迷い込んだ顛末を話し始めた。

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