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プルーストの泪  作者: 月川 望
3/10

選択。

後悔のない人生なんてないと思う。


何事にも選択肢があり、やるかやらないか。それともその間か。それともその間の間の道か。無数に数がある。その中から後悔しない道を選ぶのはたやすくない。何せ僕らは選んだ道のその先が見えないのだから。


実際、僕は今、後悔している。選択を間違えたのだ。絶賛後悔中だ。そしてどうすればいいのか絶賛航海中でもある。


自分の頭の中で記憶をたどってみる。急に

「寂しがり屋なのかい?」と言われる記憶だ。


もちろんそんなものない。判例がないものには答えはすぐ出ない。


「履修とか小難しいことわかんないからさ、こうして君に助けてもらおうと思ったんだけど、嫌だった?」

僕が言葉を発する前に彼女が二手目を出してきた。そんなの反則だ。将棋やオセロでも順番が大事だろうに。


「大丈夫」

僕だって伊達に人間をやってない。このくらいの

ことは言える。


「よかった!ところで、君はさ寂しがり屋なのかい?」

彼女は僕の目を見てまっすぐにそう言った。

正確には覗き込んできた。というのが正しい表現だろうか。


「その質問なんだけど、初対面の人に聞くのは確実に間違ってると思うんだ。君はたまたま食堂で相席した隣の人に一口をせびったりするのかい?」

僕は目をそらし、そう言った。


少し間が空いた。


そして彼女は僕だけに聞こえるように

「君は面白い人だね」

そう呟いた。


と同時にチャイムが鳴った。説明会が開始される。


隣にはおかしな女。



僕の大学生活はどうなるっていうんだ。



どこから選択を間違えたんだ。



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