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地平線が続く世界で ~俺TUEEE、にはなりませんでした!~  作者: 夜桜月霞
1……『本日は晴天なり。しかし我が航路には暗雲立ち込めております』
12/75


 メディッテ盆地の航行時間は、今回の航路全体の3分の2を占める。


 そしてその間の停泊予定はない。


 ほぼまっすぐ盆地を突っ切るような航路だ。


 最短経路だが、非常に危険な航路である。


 盆地を取り囲む台地。その周辺は当然人が多い。しかし盆地の中央部は人の往来が少ない。


 理由はひとつ。


 獣が多く、砂龍も出るのだが、それ以上に忌避する存在がある。


 土中蛇が出るのだ。


 伝説や口伝で伝わる存在で、各地に伝わるその生き物はほとんどが駆逐された。


 しかしここ、メディッテ盆地にはまだ生き残りがいるらしい。


 風の止む夜に姿を現し、町を食らう。地中を這う巨大な蛇。


 撃滅のための艦隊が編成された事もあるが、今までのほとんどが何も発見できずトンボ帰りしたか、撃滅され1隻も帰ってこなかったか、そのどちらかなのだ。


 伝説によれば、蛇は一等戦列艦よりも大きく。一口で商船を丸のみにする顎。鱗に覆われた皮膚はカノン砲のりゅう弾ですらモノともせず、地中を走り地表をのたうつ。


 そんな途方もない化け物がいるから盆地の中央部は船の往来がほとんどない。


 かといって台地に沿っていく航路では、聖痕教会のヤクザ顔負けの僧兵が待ち受けている。抜き打ちの調査なんてされれば終わりだ。荷物は没収されるは、最悪処刑だ。


 つまりは中央を突っ切るしかない。伝説よりも現実の脅威の方が危険だからという判断だ。


 航路としては最悪だ。安全のかけらもない、命知らずな道だ。


 それでも行くしかない。依頼主はそれを所望だ。


 暗澹とした気持ちのままハンモックに揺られていると、私はいつしか浅い眠りに落ちて行った。傭兵なのに緊張感なさすぎるって? 傭兵だから休む時は休みに専念するんだ。


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